TTechnology

スピーカー、アンプ、信号処理の
各要素を理想的にパッケージ化

Technics Orchestration Concept

Technicsは全てのオーディオカテゴリー製品で革新的な独自技術の開発に取り組み、Technicsならではのオーディオ体験を提供してきました。初のワイヤレススピーカーの開発にあたり、各技術をオーケストラの奏者と捉え、最大限のパフォーマンスを発揮しながら一つのシステムへ高度に融合させる「Technics Orchestration Concept」を定義。これまで培ってきたスピーカー、アンプ、信号処理の技術に加え、不要な振動伝達を抑えセパレート構造を実現する「Acoustic Solitude Construction」や、アンプとスピーカーが一体化したことを活かした信号処理技術「MBDC」などの新技術を融合させ、Technicsが考える理想のワイヤレススピーカーを実現しました。

アンプ/スピーカー独立構造
「Acoustic Solitude Construction」

多くのアクティブスピーカーがエンクロージャーの中にアンプやその他の電気回路を内蔵しているのに対して、SC-CX700では、単品コンポーネントと同様の思想により完全セパレート構造を採用。スピーカーユニット、フロントバスレフポートなどを備えたスピーカーボックスは厚いMDF材により完全に密閉。スピーカーボックスの背面側にアンプボックスを配置し、間に空気層を確保しました。これによりスピーカーボックス内部からアンプボックスへの振動伝達を最小限にし、振動の影響のない信号処理、信号増幅を実現しました。

スピーカー振動板の理想動作を追求して低歪み化を実現する
「MBDC (Model Based Diaphragm Control) 」

スピーカーの振動板は低域ほど大きなストロークを必要としますが、ストロークが増えるほど不要な高調波歪みが増加する原理的な問題があります。振動板の小さい小型スピーカーは大型スピーカーと比較して大きなストロークを必要とするため、高調波歪みの影響が大きく現れます。SC-CX700では、振動板の動きを数学的にモデル化して音楽信号に応じた動きをリアルタイムにシミュレーションすることで歪み補正信号を生成する信号処理技術「MBDC (Model Based Diaphragm Control) 」を搭載。低歪みでクリアな低音と、高調波による中高域への干渉が少ないリアルなサウンドステージを実現しました。

同軸スピーカー
新開発のリングツィーター搭載の同軸ユニットを採用

Technicsの点音源・リニアフェーズ思想に基づく同軸構造のスピーカーユニット「Phase Precision Driver 4」には新開発のリングツィーターを搭載。従来のドーム型と比較して振動系が軽量で音の立ち上がりと収束が素早く、不要な残響音が少ないことが特長です。このリングツィーターに波面解析に基づいて再設計した「Linear Phase Equalizer」を組み合わせ、ウーハー部には、浅型振動板とバッフル面までがスムーズにつながる形状とした「Smooth Flow Diaphragm」を採用。ツィーター、イコライザーからウーハー、バッフル面まで障害物のない滑らかな形状とすることで整った波面を形成し上質なサウンドを実現しました。

Linear Phase Equalizer搭載時の波面(シミュレーション動画)

Linear Phase Equalizer非搭載時の波面(シミュレーション動画)

重心マウント構造
「Balanced Driver Mounting Architecture」

ユニットの正確な動きを支え、粒立ちのよい音・立体的な音場を実現します。この構造ではユニットの固定方法が一般的なバッフル固定とは異なり、エンクロージャー内部にスピーカーマウントバッフルを設けてユニットを重心位置で固定・支持しています。これにより振動板が振幅したときのユニット自身の揺れを低減し、上下左右にブレの少ない正確な振動板のストロークを実現しています。

レイアウト性を高め、風切り音などのノイズの発生を抑える
「Smooth Flow Port」

SC-CX700はバスレフポートをフロント側に配置。壁などの反射影響を少なくし、壁際への設置などレイアウトの自由度を高めています。バスレフポートの形状には風切り音などのノイズを徹底的に排除するために、「Smooth Flow Port」を採用しています。航空機の翼断面形状に着目して、流体解析技術を基に空気の流れを最適化した断面形状は、出口付近の流速を均一にし、ノイズの発生源となる空気の渦の発生を最小限に抑えます。これにより大振幅時のノイズを低減するとともに、クリアでレスポンスの良い低域再生を実現します。

音響解析によって定在波の影響を低減。
吸音材レスで躍動感のある中低音を実現

通常スピーカーキャビネット内には定在波を除去するために多くの吸音材が使用されますが、吸音材は定在波以外の音も吸音してしまうため、再生音の躍動感が損なわれてしまいます。SC-CX700ではバスレフポートの内部開口部の位置に着目し、CAEを用いた音響解析によって定在波の周波数におけるキャビネット内で最も圧力が低い=流速の速い位置に開口部を配置することで定在波の音質影響を低減する技術を採用しました。
これによりSC-CX700ではキャビネット内の吸音材をゼロにでき、音楽の情報量を損なわない躍動感ある中低域再生を実現しました。

Technicsが誇るフルデジタルアンプ「JENO Engine」を左右スピーカーに搭載、パッシブネットワークレスでスピーカーをダイレクトに駆動

Technicsが誇る最新鋭のデジタルオーディオ技術を投入したフルデジタルアンプ「JENO Engine」を左右のスピーカーそれぞれに独立して搭載することで、ジッター成分の影響を抑え、左右の再生音の変質が生じない忠実度の高い信号伝送・増幅を実現しました。また、デジタルチャンネルデバイダーでウーハーとツィーター帯域を分割することで、パッシブネットワークレスで、スピーカーをダイレクトに駆動します。モノラルのマルチアンプ構成によって、デジタル音源の高解像度な音の再現を含め、アナログ音源の柔らかな感触も豊かに再生すると共に音源の持つサウンドステージを忠実に再現します。

HDMI ARCの高音質技術

フルデジタルアンプ「JENO Engine」の優れたデジタル信号処理技術をHDMI ARCにも適用。テレビの音もより豊かな音質で再現します。 HDMI接続では規格上、映像と音声をセットにして伝送する必要があります。音声信号への影響が最小限となる、解像度と映像信号データを選択することで、送受信時のノイズ発生や音質劣化を低減しました。パナソニックのブルーレイディスクレコーダー/プレーヤー開発で培った独自の高音質技術です。さらに、入力された音声信号については、HDMI LSIをバイパスして直接DIR(デジタルオーディオインターフェースレシーバー)に入力することで、最短経路で伝送し、ジッターの影響を低減します。

単品コンポーネントの思想を継承し各回路基板を分離独立

スピーカー部と独立した強固な専用シャーシに内蔵されたアンプブロックの内部は、大電力を扱う電源回路・高速信号を扱うデジタル信号処理回路・パワーアンプ回路の基板をそれぞれ独立。Technicsの単品コンポーネントの思想を継承しています。特に電源回路部はシールドすることで各ブロック間の不要な干渉を防ぎ、高S/N、高セパレーションを実現しています。

パワーアンプ回路とデジタル信号処理回路に専用電源を搭載
「Twin Power Supply Circuit System」

電源回路部においては、パワーアンプ回路、デジタル信号処理回路の相互干渉を低減するために、それぞれ独立したトランスから電源を供給する「Twin Power Supply Circuit System」を採用しました。それぞれの専用電源とパワーアンプ、デジタル信号処理回路を最短距離で、それぞれが離れた位置で接続できるように内部回路をレイアウトすることでローノイズ化を徹底しています。

上位モデルに採用の高品位パーツを搭載

SC-CX700は上位モデルで採用している部品を随所に搭載し、徹底して音質を磨き上げています。特にアナログ入力回路には上位モデルと同等の高品位なフィルムコンデンサーなどを惜しみなく採用し、妥協のない音質チューニングを行っています。

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