音も機能も「即戦力」! テクニクスの人気一体型オーディオ “OTTAVA ƒ” 第2世代機レビュー

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音も機能も「即戦力」! テクニクスの人気一体型オーディオ “OTTAVA ƒ” 第2世代機レビュー

PHILE WEB 2021年03⽉05⽇掲載

執筆:山本 敦

新型コロナ禍で、いま多くの人々が、自宅で効率よく仕事をこなしたり、趣味の時間を充実させるための環境づくりに工夫を凝らしている。PHILE WEBビジネスの「月間売れ筋ランキング」によると、昨冬からハイエンド価格帯のオーディオ機器が売り上げを好調に伸ばし続けているという。不要不急の外出自粛を迫られている時にこそ、自宅の音楽再生のクオリティにこだわり、充実した時間を過ごしたいという機運が高まっているのだろう。

そして、音楽プレーヤーにアンプとスピーカーを一体化した “オールインワンスタイル” のシステムオーディオについても、高品位なサウンドと多彩な機能が楽しめるプレミアムモデルが人気を集めているようだ。

今回レビューするテクニクスの “OTTAVA ƒ(オッターヴァ・フォルテ)”「SC-C70MK2」はその代表格と呼ぶべき製品だ。今回筆者は本機を自宅に招き入れ、上質なオーディオと共につくる、ニューノーマル時代のライフスタイルを探求してみた。

SC-C70MK2
テクニクス “OTTAVA ƒ”「SC-C70MK2」 価格:130,000円(税込)

テクニクスのオールラウンダーな一体型モデルが進化!

テクニクス “OTTAVA ƒ” は、2017年に初代モデルの「SC-C70」が登場。日本を代表するプレミアムオーディオブランドが2014年に復活を遂げて以来、初の一体型システムオーディオとして話題を呼び、垂涎の的になった。そんな初代モデルから約3年の時を経て、今回 “マークツー” 「SC-C70MK2」が誕生した。

SC-C70MK2
初代モデルから約3年、MK2(マークツー)として大きく進化したOTTAVA ƒ

SC-C70MK2は、様々な音楽ソースの再生を単独で行える一体型オーディオ。ネットワークとUSBストレージによってハイレゾ再生も楽しめるし、CDプレーヤーにFM/AMラジオ機能も揃っている。筆者は、Wi-Fi機能でインターネットに接続し、スマホと連携させてSpotifyやAmazon Music HD、Apple Musicなど音楽配信サービスを「プレミアムな音質」で聴ける音楽プレーヤーとして、本機に強く魅力を感じている。

単独の音楽プレーヤーとして使うだけでなく、光デジタル入力に薄型テレビやDAPの音声を接続してもいいし、アナログ入力にレコードプレーヤーなど外部オーディオをつなぐ手もある。オッターヴァ・フォルテの実力が存分に発揮されるはずだ。

高品質なサウンドはもちろん、その外観も魅力的だ。テクニクスの復活を待ちわびた往年のファンだけでなく、初めてテクニクスのオーディオコンポーネントに触れる若い音楽ファンも魅了する、シンプルで優美なデザインは初代モデルから受け継いだ。

アクリルパネルのフタをスライドして開けて、ディスクを装填するトップローディングスタイルのCDドライブは、アクセントとしてすごく効いている。家族にも好評だし、今後、気軽に来客を招けるようになったら、本格的なオーディオ機器に触れる機会が少ない友人たちの目も引けるのではないかと楽しみだ。

SC-C70MK2
CDプレーヤーのアクリルパネル部分は手動で開閉するかたち

マークツーになって進化した4つのポイント

中身は “マーク2” として全面的なブラッシュアップを図っているが、特に注目したいポイントは大きく4つある。

ひとつは「音が良くなった」ことだ。スピーカーユニットに改良を加えて、「JENO Engine」を核とした独自開発のフルデジタルアンプとの合わせこみを丁寧に行っている。音質については後ほどインプレッションをお伝えしたい。

設置環境とリスニングポジションに合わせ、本機の音質を自動で最適化する独自の音場調整機能「Space Tune」は、従来機ではワイヤレスで接続したiOSデバイスのマイクを使う必要があった。マークツーでは本体に内蔵するマイクを使う自動音質調整「Space Tune Auto」に対応しているので、iPhoneやiPadを持っていなくても、置き場所に合わせて音の聴こえ方をベストチューニングに整えられる。

このほかにもGoogleデバイスとの連携、Android/iOSに対応する専用アプリ「Technics Audio Center」のユーザーインターフェースがさらに使いやすくなるよう整理された。後ほどアプリの重要なポイントについてもおさらいする。

立体的なボーカルや豊かで力強い低音、一体感のある温かなサウンド

さっそく音質のインプレッションからお伝えしよう。SC-C70MK2は初代モデルと内蔵するスピーカーシステムの構成は変えていないが、ユニットのチューンアップを図ったことで聴感上の音の広がりやつながりの良さを改善した。伸びやかさと豊かなメリハリにもインパクトがある。

最初はiPhone 12 Pro MaxでApple Musicの音源を再生。AirPlay 2によりSC-C70MK2にストリーミングしながら、YOASOBIのアルバム「THE BOOK」から『夜に駆ける』を再生した。

広々とした透明な空間を疾走感をあふれる音楽が駆け巡る。ボーカルの質感がとてもなめらかできめ細かく、シャープな輪郭の声が立体的に浮かび上がってくる。ピアノのメロディは立ち上がりが鋭く音色も鮮やか。重低音もブレがなく鋭く打ち込まれる。ロックやポップス、ジャズのアップテンポな楽曲の躍動感の心地よさに引き込まれる。

SC-C70MK2
一体感のある豊かなサウンドに包まれる、本格オーディオ体験をじっくり楽しめる

続いて、iPhoneによりAirPlay 2の機能を利用してSC-C70MK2にアクセスした状態で、音楽サービスをAmazon Music HDに切り換えて楽曲を聴いた。AirPlay 2ならばAmazon Music HDのハイレゾ配信楽曲も最大48kHz/24bitの音質で楽しめる。楽曲はキリンジのアルバム「ペイパードライヴァーズミュージック(2018 Remaster)」からULTRA HD配信の『汗染みは淡いブルース』を聴いた。

濃厚なメロディが部屋一杯に広がる。温かくて力強いサウンドだ。パーカッションや管楽器も参加する音数の多い楽曲だが、SC-C70MK2はゆったりとボーカルを包み込みながら、一体感あふれる音楽を楽しませてくれる。

重心の低いベース、ドラムスなど、低音楽器の骨太で安定感の豊かな鳴りっぷりもいい。筆者宅では特に、Space Tune Autoの効果がシャープで張りのある低音再生に大きく表れたように感じる。

同じキリンジのアルバム「3(2018 Remaster)」から『エイリアンズ』のULTRA HD配信を聴いてみると、アコースティックギターやシンセサイザーの甘いハーモニーに包まれる。体の芯に溶け込むような温かいサウンドにぐっときた。

Amazon Music HDなどの音楽配信サービスは、一部で楽曲の歌詞表示にも対応している。iPhoneの画面が見やすくなるよう、アクセサリーを活用してSC-C70MK2の天面にスマホを立てたら、“おうち時間” に煮詰まってきた時に本機の “いい音” でカラオケも楽しむことができ、とても良かった。

SC-C70MK2
操作は付属リモコンはもちろん、専用アプリ「Technics Audio Center」からも行える

ラストにYOASOBIの『夜に駆ける』を96kHz/24bitのハイレゾ版アルバム「THE BOOK」をUSBストレージに保存し、聴き比べてみた。

空間の奥行きの深さ、音楽の立体感はやはり格段に違う。ボーカルのフォーカスがさらに引き締まって冷たい緊張感が漂ってきた。音楽と真っ正面から向き合ってじっくりと聴きたくなってくる。本機がハイレゾ音源のクオリティをしっかり表現できる能力を備えていることがわかった。

Googleデバイス対応や使いやすいリモコンアプリ。初心者でも手軽に使いこなせる

SC-C70MK2では新たに、グーグルのChromecast built-in、works with Ok Googleに対応している。初代モデルには搭載されていないそれぞれの機能を使うと、スマホのGoogle Homeアプリを使った音楽再生コントロールや、本機とは別の部屋に置いたworks with Ok Googleを搭載するスマートスピーカーと連携するマルチルーム再生などが楽しめる。

SC-C70MK2
「Chromecast built-in」「works with Ok Google」に新対応。Google製スマートスピーカーと連携させたり、音声操作も可能だ

筆者はふだんから、自宅で複数のスマートスピーカーを使用している。今回SC-C70MK2を使ってみて、中でもとても相性が良いと思った製品は、ディスプレイ付きの「Google Nest Hubシリーズ」。画面タッチ、または音声操作で音楽ソースの再生先をSC-C70MK2に指定すると、楽曲のカバーアートがGoogle Nest Hubの画面に大きく表示される。

スマホアプリやGoogleデバイスとの連携が使いこなせれば、音楽配信サービスのワイヤレス再生に関してはもう十分に不自由なく楽しめるだろう。加えて専用アプリの「Technics Audio Center(以下:TAC)」もマスターすれば鬼に金棒だ。

TACアプリは、SC-C70MK2の細かな本体設定だけでなく、ホームネットワーク上にあるNASなどのミュージックファイルサーバーからの音楽再生、USBストレージに保存したハイレゾ音源ファイル、CDの再生、FM/AMラジオのステーション選択なども一括して行える万能リモコンアプリだ。筆者は仕事中にBGMとして海外のインターネットラジオを聴く際、ステーション検索がスムーズにできるのでアプリをメインに利用している。

SC-C70MK2
「Technics Audio Center」はSC-C70MK2登場に合わせてブラッシュアップ。よりわかりやすく使い勝手の良い仕様になっている

本体のセットアップについては、付属のリモコンもすべての操作に対応しているが、できればより視認性の高いスマホアプリをぜひ一度使ってみてほしい。

SC-C70MK2のアプリのUI
アプリのUIはとてもわかりやすく、初心者でも簡単に操作できる

圧縮音源を高品位なサウンドに復元する独自の「RE-MASTER(Re-master Enhanced for Compressed Audio)」は、アプリからもオン・オフが切り換えられる。インターネットラジオ放送のサウンドに圧倒的な広がりが生まれるので、とても効果的だ。低中高域のバランスをマニュアルで調節できるトーンコントロール機能も上手く使いたい。

紹介の順番が少し後になってしまったが、SC-C70MK2をベストなコンディションで楽しむために、本機を設置する場所を決めたら、最初に自動音場補正機能「Space Tune」を使おう。

マークツーから搭載する「Space Tune Auto」では、本体内蔵のマイクを使って再生したテストトーンを測定・解析し、数ステップの操作により自動音質調整ができる。付属のリモコンからSpace Tune Autoのセットアップに入る場合も簡単で、「SETUP」ボタンを長押しすればスタートする。なお、セットアップの最初に少し音量が大きいテストトーンが一瞬鳴るので気をつけたい。

筆者のようにインターネットラジオをよく聴く方は、お気に入りのステーションに1から9まで付番してFAV番号に登録できる機能も便利に使いたい。TACアプリからの登録でき、操作もシンプルで簡単なのでおすすめ。付属リモコンからでもステーションの再生中に「FAV」ボタンを長押しして、数字キーで空いているFAV番号を選択するとスムーズに登録が完了する。

本格サウンドを楽しめる、完成度の高さに磨きがかかった一台

新しいテクニクスの “OTTAVA ƒ”「SC-C70MK2」はスピーカーとアンプの高品位な音質とバランス、モバイルアプリやスマートスピーカーにも連携できる多彩な音楽プレーヤーとしての機能がとても高いレベルでひとつになっている。誰もが迷うことのないシンプルな操作性も、満足度が高いことと思う。

すべての音楽ファンの即戦力になれる、本格派の一体型システムオーディオとしておすすめしたい。



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