Sound

Technicsのターンテーブル

1970年に世界初のダイレクトドライブ方式を採用したターンテーブルを開発し、ノイズの少ない音質と安定した回転性能により音楽愛好家やDJから多くの支持を集めました。高性能と信頼性を兼ね備えた設計思想は、SL-50Cへ受け継がれています。

ダイレクトドライブ方式とは?

ダイレクトドライブ方式はモーターがプラッターを直接回転させる駆動方式です。モーターが低速で回転するため電磁振動も少なく音質にも優れています。回転にベルトやギヤによる減速機構を持たないため、定期的な部品交換も不要です。

ダイレクトドライブ方式
モーターで動力を直接駆動
(高い回転精度と応答性)
ベルトドライブ方式
ベルトで動力を伝達駆動

上位モデルと同じシングルローター型
コアレス・ダイレクトドライブ・モーター

プラッターの軸とモーターが直結する構造で、S/Nに優れ「コギング」と呼ばれる回転ムラの少ない高精度な回転が可能なコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを継承。上位モデルとなるSL-1500C/SL-1200MK7と同一のモーターを使用しました。上位モデルと同等の回転精度(ワウ・フラッター0.025 %)を実現し、立ち上がり時間も同等の0.7秒(33 1/3回転時)とし、起動もスムーズです。

デジタル制御と学習制御で正確な回転を実現

ダイレクトドライブ方式ではモーターを低速で振動なく回転させる必要があります。SL-50Cでは、最新の回転制御技術を応用。定速時はマイコンに搭載されたサイン波形ROMテーブルを用いた正確な正弦波駆動方式を採用。さらに上位モデルの開発で得られた学習制御も投入。ドライブ回路ごとのオフセット電圧を計測し、部品偏差によるズレを学習して自動補正することで個体のばらつきを排除し、高い回転精度を実現しています。

滑り軸受方式を採用した
新設計のトーンアーム

伝統のS字形ユニバーサル方式を継承し、水平回転機構をジンバルサスペンション方式から滑り軸受方式に変更した新設計のトーンアームを採用。超精密金型による滑り軸受には高強度/高比重のスーパー・エンジニアリング・プラスティック(PPS)を採用。高精度ステンレスセンターシャフトと接する部分はカメラレンズ駆動装置と同等となるサブミクロンオーダーの表面粗度とし、またセンターシャフトを支えるスラスト軸受には真球度0.05μm以下のベアリング用鋼球を使用し、スムーズなトーンアームの回転を実現します。

レコードの正確な回転を制御する
アルミダイカスト製プラッター

プラッターには、アルミダイカストを採用。トルク伝達ロスをなくすために、裏面へ補強リブを追加しモーター用のマグネットをターンテーブルに直接マウントした構造としています。これらにより軸滑りのない正確な回転制御を可能にしました。

SL-50Cの重量に合わせて
最適にチューニングされたインシュレーター

ターンテーブルを支える4つのインシュレーターは、SL-1500C/SL-1200MK7でも使われているインシュレーターをベースに、ラバー硬度をSL-50Cの重量に最適化して搭載しました。共振周波数を可聴帯域外とすることで、可聴帯域における外乱を排除すると共に、ハウリングの発生を抑制します。

音質に配慮した最適な回路レイアウト

これまでのターンテーブルシステムにおける開発ノウハウを投入。電源回路、モーター制御回路、フォノイコライザー回路をそれぞれ独⽴した基板で構成。各基板間は⼲渉を防ぐために交差することなく配線されています。また、トーンアームおよびカートリッジの移動経路から離れたレイアウトとすることで、カートリッジに与える影響を最⼩化しています。

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