用語集
あーお
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インピーダンス
『交流に対する抵抗値』のこと。普通の抵抗器では直流でも交流でも示す抵抗値はほぼ同じだが、コンデンサやコイルなどの部品は、周波数が変わると交流の通りにくさが変化する。
コンデンサの場合、直流抵抗は∞Ωで、音声信号は通る。逆にコイルは、直流抵抗はほぼ0Ωだが、周波数の高い交流信号はほとんど通さない。抵抗とコンデンサ、コイルを組み合わせた回路では、回路全体の抵抗値は周波数によって複雑に変化する。
スピーカーやマイクロホンでは、インピーダンス値により、「ローインピーダンス」と「ハイインピーダンス」に分けられる。
マイクロホンについては、増幅素子として、まだ真空管が使用されていた頃のアンプが、増幅度も低く、雑音が多いという欠点を補う為に、出力電圧を上げる目的で、昇圧トランスを内蔵して、50kΩという高いインピーダンスで、マイクロホンを使用したが、マイクケーブルが数mまでしか使用できず、長くするとハム雑音が出やすくなるという欠点を持っていた。
このため、マイクケーブルを長くできるように、600Ωという低いインピーダンスで、マイクロホンの出力を送り、アンプ内部に昇圧トランスを持たせた。マイクロホンでは、50kΩと600Ωを区別する意味でハイインピーダンス、ローインピーダンスと呼んでいる。 -
ウーハー(構成)
ウーハーとはスピーカーの種類の中で低音(低域)を出す為のスピーカーを指す。
またサブウーハーとは超低音用のウーハーで、一般的には寸眸の小さなサイズのスピーカーの低域不足を補うために追加するものである。 -
エリアシング
デジタル信号処理において、異なる連続信号が標本化によって区別できなくなること。「折り返し雑音」とも言う。
全く別の周波数の音声信号をデジタル化した際にサンプリング周期によって同じ値になってしまう現象を言う。 -
オーバーサンプリング
デジタル信号とアナログ信号の変換を、必要なサンプリングレート以上の倍数のレートでサンプリングする機能。
このことで折り返しノイズの影響から逃れることができる。
かーこ
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クロック(同期システム/動作)
クロックは本来はデジタルデバイスが動作するためのタイミングデータ、またはその信号を発生する機器のことである。
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コモンモードフィルター
ディファレンシャルモードとして伝わる信号電流は通過させ、コモンモードのノイズ電流だけを選択的に除去するフィルタ。
LAN入力に用いる事によって、外部LAN機器からのノイズを除去する事ができる。
さーそ
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シグナルパス
信号経路
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ジッター
時間軸方向での信号波形の揺らぎや、その揺らぎによって生じる音声信号などの乱れのことを指す。
ジッタは信号波形の時間的な揺らぎであり、デジタル信号では、基準クロックや信号データの波形の位相の揺らぎによって発生、デジタルオーディオ信号の音質劣化要因となる。 -
シングルプッシュプル構成
交流信号のプラス側とマイナス側を別々の素子で増幅するのがプッシュプル回路。その素子をアンプの出力段で各々1個ずつ使用する方式がシングルプッシュプル。
たーと
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ダイキャストフレーム
ダイキャストとは、金型鋳造法のひとつで、金型に溶融した金属を圧入し、高い寸法精度の鋳物を生産する方式のこと。アルミダイキャストをスピーカーのフレームに採用する事によって、スピーカーの振動を受けとめ、その動きをしっかり支えるとともに、フレーム 自体の共振を抑えることができる。
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ツィーター
高音部の再生を受け持つスピーカー。2ウエイスピーカーでは2.5KHz以上、3ウエイスピーカーでは5KHz以上を受け持つのが一般的である。DVDオーディオやスーパーオーディオCDにおける2チャンネル音源の高音質再生を受け持つために、再生周波数範囲が100KHzを超えるスーパーツイーターも用いられるようになった。
なーの
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ナイキスト周波数
電波や測定など、アナログなものをデジタルとして扱うさい、必ず離散化してデータを取ることになる。
サンプリング周波数とは、この測定(サンプリング)を1秒間に何回行うのか?ということで、単位はHz。
当然、大きいほうがより細かい測定ができる。ナイキスト周波数とは、サンプリング周波数の半分の周波数。
本来、電波や交流などのグラフの中には、さまざまな周波数の正弦波が混ざる。
これをサンプリングする際、ナイキスト周波数よりも大きい周波数はそのグラフの形が1つにならないため、正確に測定できない。
サンプリングしたいものの周期がある程度既知の場合、ナイキスト周波数はその周波数よりも大きくする必要がある。
また、特定の周波数帯のみのデータがほしい場合は、LPFなどをかけてナイキスト周波数以上の成分を除いてからサンプリングする必要がある。 -
ノイズシェーピング
周波数軸で一様分布する量子化雑音を、信号処理によって、雑音の分布を整形し、低周波で減少、高周波帯域で上昇する様に再分布させる処理をする回路技術。fs/2帯域内の雑音電力の総和は一定で、低周波雑音は高周波に移動する。
これによって、可聴帯域内のノイズを低減させる事ができる。
はーほ
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ハイレゾ
「ハイレゾ」とは「High Resolution」の略で、CDよりも高解像度の、例えば192kHz/24bitのFLAC形式などの音源。
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バッフル板
スピーカシステムにおいて、前面でスピーカユニットを取り付ける固定する板(バッフル)の事。
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パラボラポート
開口部をパラボラカーブ状に太くしたバスレフポート。ノイズの少ないスムーズな重低音を再生する。
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パルストランス
LAN インタフェース部に搭載されるトランスで、パルス信号を高速伝送するとともに、入出力間の絶縁、ノイズの除去などの機能をもつ。Technics Digital Interface回路に用いる事によって、デジタル信号の品位を向上させている。
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微小信号
振幅の小さな信号の事。特に音声信号ではダイナミックレンジが広く微小信号にノイズや歪みが生じると音質の劣化に繋がる。
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ピストンモーション帯域
振動板全体がボイス・コイルの振動と完全に一体となって動く動作を、ピストン・モーションと呼び、ボイス・コイルと振動板がバラバラに動いたり、振動板の一部が勝手な動きをするような動作を分割振動(または分割共振)と呼ぶ。ピストンモーション帯域とは、ピンストンモーションできる周波数帯域の事。
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フルデジタル構成
入力から出力まで全てデジタル信号処理技術によって処理される回路構成。
まーも
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ミッドレンジ
音楽における中音域。 または3Way以上のスピーカーシステムにおいて中音域を受け持つスピーカーユニット(スコーカとも呼ばれる)
らーろ
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ローパスフィルター
フィルタの一種で、なんらかの信号のうち、 遮断周波数より低い周波数の成分はほとんど減衰させず、遮断周波数より高い周波数 の成分を逓減させるフィルタ。デジタルアンプではPWMのキャリアを除去する目的で使われる。
AーG
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DSD
「Direct Stream Digital」ソニーとフィリップスが開発・規格化した1bitオーディオフォーマットで、SACDにも採用された。音声信号を1ビットのデジタルパルスの密度で表現し、広い周波数帯域、低ノイズ性に加え、比較的ファイルサイズが小さいといった特長がある。これまでは再生環境(対応機材)が限られていたが、この秋から対応USB DACなどが増えてきた。従来の2.8MHzよりサンプリング周波数を拡大した5.6MHz対応機もある。
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FLAC
「Free Lossless Audio Codec」フリーの可逆圧縮方式を使用した音源ファイル。可逆圧縮(Lossless)とは、圧縮前の状態に完全に戻せる圧縮方式のことで、MP3などの非可逆圧縮方式と異なり、理論上はまったく同じ符号を取り出せる。
中身はWAVと同じPCMながら、ファイル容量はWAVの約半分になる。またジャケット写真やメタデータを収録できる利便性もある。 -
GaN-FET Driver
GaN(窒化ガリウム)を用いたパワートランジスタ。高速スイッチング特性、低ON抵抗性に優れ、デジタルアンプのパワー段に最適な半導体デバイス。
HーN
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NAS
ネットワークアタッチトストレージ(Network Attached Storage)。コンピュータネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ。TCP/IPネットワークに直接接続して使用する補助記憶装置。ネットワークオーディオでは音源データを蓄えるために使われる。
OーU
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PWM
パルス幅変調(パルスはばへんちょう、英語: pulse width modulation、PWM)とは変調方法の一つであり、パルス波のデューティー比を変化させて変調すること。
VーZ
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WAV
「WAVE、RIFF waveform Audio Format」マイクロソフトとIBMが開発した非圧縮の音声フォーマット。
WAVはいわゆるコンテナの形式であり、中に入っているのはPCMである。このためWAV(PCM)などと表記されることも多い。ファイル容量は大きく、96kHz/24bitなら3分前後の曲で100Mバイト超えが一般的。現在もっとも高音質な配信フォーマットである。