石塚淳(台風クラブ)
石塚淳(台風クラブ)
山本啓太(B)、伊奈昌宏(Dr)とのロックバンド・台風クラブのボーカルとギター担当。2013年の結成後、台風クラブは7曲入り音源集「12月14日」をリリース。2014年に初代ベーシスト・まっちゃんが脱退し、山本の加入により現体制に移行した。2015年にシングル「ずる休み」、2016年にタカダスマイルとのスプリット7inchシングル「ついのすみか / かくれんぼ」、2017年にアナログ作品「相棒 / 飛・び・た・い」と1stアルバム「初期の台風クラブ」を発表。その後もアナログ盤でのリリースを続け、2020年には7inchシングル「下宿屋ゆうれい」を発売した。
- 初めて買ったレコードは?
- キャロル「ゴールデン・ヒッツ」
僕が中学生だった頃、夜中に聴いていたラジオでギターウルフのセイジさんが、「イントロから最強にかっこいい曲」といった紹介のあとに、キャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」をかけてくれました。
「昔のバンドはレコードで聴くべき」という直感から、その後すぐ、15歳の誕生日に大阪日本橋の電器屋さんで、ポータブルレコードプレーヤーを買ってもらったのです。
南海なんば駅までの帰り道に見つけた中古レコード屋さん・RECORD SHOP NAKA(ナカレコ)におそるおそる入ってみると、「日本のロック か行」の棚に、ドンピシャでキャロルがありました。
深夜ラジオで偶然耳にした歴史上のバンドのレコードが本当に存在するなんて!という感動もあり、そのレコードはものすごいオーラをまとっているように感じました。
「CDアルバムが3000円」という認識だった子供にとって、中古LPの安さも、煌々としたCDショップとは趣の異なる、棚いっぱいに古いレコードが詰まった薄暗いレコード屋さんとの出会いも、自分だけのとびきりの秘密ができた気分でした。
15歳の当時はCDアルバム自体、OasisやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ハイロウズの作品を2、3枚持っているだけだったので、新譜をCDショップで買うのとはまったく別種の音楽との出会い方を発見したことに、とても誇らしい気持ちになりました。
それから20年以上経った今でも、レコード屋さんで探していたレコードと出会うときは同じ気持ちになります。 - Technics製品で聴いてみたい作品は?
- 曽我部恵一「サマー・シンフォニー」(12inch Version)
MVも素敵な1曲。冒頭のシーンに、塩化ビニールの軟らかさや温かさ、その溝をトレースする針の硬質さや冷たさ、緻密にプレスされたアナログ盤と重厚なレコードプレーヤーの持つフェティシズムが詰まっていると思います。
曽我部恵一「サマー・シンフォニー」