まるでスピーカーのような低音! 一聴して惚れ込んだ、Technics「EAH-TZ700」の凄さ
新生Technicsとしては初となるイヤフォンの「EAH-TZ700」。それと初めて出会ったのは、まだ酷暑の続く8月下旬。11月に発売予定となる新イヤフォンの内覧でのことだ。その時に最終段階にある試作モデルの音を聴いて、「これをしばらくお借りすることはできますか?」と聞いていた。この時すでに、この秋から年末にかけてのイヤフォン新製品の台風の目になると確信していたからだ。
その時は、発売のアナウンスすらしていない製品なので借りられなかったが、その後、取材などの試聴で何度かの幸せな再会を果たした後、待望の発売日である11月15日に店頭に足を運んで実機を手に入れた。
以来、外出時には必ず携行して愛用している。イヤフォンなどを最初に音を聴いた瞬間に惚れ込むことは少なくないが、ここまで発売が待ち遠しかったモデルというのは珍しい。最初の出会いからは3カ月あまりの時間が経過しているし、その間に各社の有力な新製品を幾つも聴いていたわけだが、それでもEAH-TZ700が欲しいという気持ちが変わることはなかった。
そんなところに、編集部からEAH-TZ700のレビュー記事の執筆を依頼されたので、即座にOKの返事をした次第。つまり、記事に登場するEAH-TZ700は筆者が、ガチで自腹購入したモノだ。
派手さはないが、様々な技術と工夫が盛り込まれた画期的ドライバー
編集部のレビュー記事も公開されているが、軽く製品の特徴を紹介しておこう。ドライバーは口径10mmのダイナミック型で、「プレシジョンモーションドライバー」と呼ばれる。
ヘッドフォンやイヤフォンのドライバーは、スピーカー用のドライバーとは異なり、振動板とボイスコイルを支えるサスペンション(ダンパー)がなく、振動板の周囲にあるエッジだけで振動板とボイスコイルを支えている。
エッジが柔らかいと振動板の振動やそれにともなう共振で腰砕けになり、正確なピストンモーションが出来なくなる(歪みが増える)ので、エッジの素材は適度な剛性が必要になる。
しかし、剛性の高いエッジは振動板自体の動きを制限するので、大振幅化が難しくなる。つまり、主に低音域方向の再現能力に制限が出る。これを解決する一般的な手法が振動板の大口径化だ。大口径ならば振幅が少なくても空気を動かす量が増えるので、低音再生能力が高まるというわけだ。
だが、Technicsはそれを良しとせず、決して大口径とは言えない10mm口径で広帯域化と低歪みを実現するという大胆な挑戦をした。それを可能とした技術のひとつが、「磁性流体」の採用だ。磁性流体はもともと、業務用スピーカーなどの大出力が求められるスピーカーの冷却を目的として使われていた素材で、特別に珍しい物でも技術でもない。ただし、ダイナミック型のイヤフォンに採用したのはEAH-TZ700が初ではないかと思う。
「磁性流体」をボイスコイルと磁石の間に封入することで、振動板の振幅を支える役割を果たしている。すなわち、スピーカーユニットのサスペンション(ダンパー)的な使い方だ。ちなみに、ソニーはスピーカーユニットの開発で同じ発想で磁性流体を使用し、サスペンション(ダンパー)を排除したドライバーを「磁性流体スピーカー」の名称で製品に採用している。
「磁性流体」で振動板とボイスコイルの動きを支えることができるので、エッジは柔らかくすることができる。おかげで、振動板の大振幅化が可能になった。さらに言えば、振動板を特殊アルミニウム振動板として高域の再生限界も向上。10mm口径のダイナミック型ドライバーとしては驚異的な広帯域化(カタログスペックで3Hz~100kHz)と超低歪みを実現した。
詳しく解説すればするほど、決して画期的な技術が使われているわけではないことがわかるだろう。さまざまな技術を持ち寄って、統合的に設計した結果、画期的な性能を有したドライバーの開発に成功したという点が、実は一番特徴的なポイントなのだ。
こうした工夫は、ドライバーだけにとどまらない。マグネシウム製のメインハウジングの内部には、ドライバーの後端に、ドライバー背面の空気の流れを制御する「アコースティックコントロールチャンバー」を備える。ハウジング前端のポート側も、耳に送られる空気がストレートに流れるように構造を工夫。共振を制御するため軽量で高硬度なチタンを素材に選んでいる。広帯域・超低歪みのドライバーを採用するだけでなく、理想的な特性で再生できるようにしたチューニングも大きなポイントと言えるだろう。
このため、言葉だけの説明で製品の良さを伝えるのが難しい。正直に言えば目新しい技術や画期的な新素材を使ったというような言い方ができず、アピール度に乏しい印象だ。だが、本機のもっとも驚くべきところは「音」そのものだ。ここまでの説明は、「音の良さ」を裏付けるだけの情報に過ぎない。
コンパクトで軽量なので、フィット感も良好
EAH-TZ700は、実物を見るとかなりコンパクトで、デザインも比較的シンプルな形状になっているので、見た目も地味だ。とはいえ、マグネシウムの質感を活かしたグロス仕上げは質感豊かだし、MMCX使用の着脱式コネクター部分はローレット加工が施され、筆者のような金属パーツ好きにはよく響くデザインだ。当然ながら剛性は極めて高い。
イヤーピースは、一般的な円形のものと、楕円形のものが2種用意され、各4サイズ付属している。楕円形の形状は人間の耳の穴に近い形状ということで、よりフィット感が高まるというもの。筆者はやや大きめのイヤーピースを選ぶことが多いので、楕円形でLサイズを選んでいる。このあたりは、フィット感などで好みに合わせて選ぶといいだろう。
楕円形イヤーピースは、耳に装着してみると、円形のものと比べて明らかにフィット感が異なるというほどのものではない。しかし、しばらく楕円形タイプを使い続けてから、円形タイプに戻してみると、ごくわずかだが、隙間が生じている感じがした。
反面、フィット感が高いぶんだけ、耳栓をギュッと押し込んだときのような閉塞感もある。音楽を再生していればあまり気にならないが、静かな場所で音楽再生を止めてイヤフォンだけつけっぱなしにしているときに気になりやすい。このあたりが好みの分かれるところだろう。音質については、楕円形タイプの方がごくわずかだが低音の伸びが優れる。微妙な隙間がしっかり塞がれるため空気が漏れないことが理由だろう。
楕円形イヤーピースは、装着する角度によってもフィーリングが変わるのでいろいろと試してみよう。基本的にはボディに対して縦長の楕円になるように装着するのが良さそうだと思うが、個人的にはほんの少し前側に傾けるくらいのところが、もっともぴったりとハマっている感じが得られた。耳の穴の形状は個人差もあるので、このあたりはユーザーが実際にいろいろと試してみるといいだろう。
ちょっとユニークなのが、付属する携帯ケース。イヤフォンケーブルを巻き付けられる形状のウレタンブロックに合成皮革のカバーを付けたデザインだ。
キャリングポーチや、コンパクトなハードケースとはひと味違ったもので、個人的にはわりと気に入っている。いちいちケーブルを巻いて収納するのはやや手間がかかるが、カバンなどに適当に放り込んでもイヤフォン本体やケーブルが他に荷物に押しつぶされることがないので安心感がある。合成皮革のカバーも裏に磁石が仕込まれていて、勝手に開いてしまうことがないのも良い。端子部を上部に設けられた穴に差し込むことでケーブルが弛まずに収納できる仕組みもあり、細かいところまでよく出来ている。
問題があるとすれば、付属するもう1本のケーブルなどを収納するスペースがないこと。外出時は、あらかじめ選んだケーブルのみを持ち歩くことが推奨なのだろう。筆者の場合は、仕事で使用するときには本体のほか2本のケーブルや、ステレオミニ→標準プラグの変換アダプターを持ち運ぶので、付属品用にコンパクトなハードケースを別途用意している。
ここで、「本体のほか2本のケーブル」という言葉に反応した人は鋭い。EAH-TZ700に付属するのは、3.5mmステレオミニ端子のシングルエンド(アンバランス)ケーブルと、2.5mmバランス端子のバランスケーブルの2本だ。どちらかを本体に接続してケースに収納すれば、別途持ち運ぶのは1本でいいはず。
しかし、仕事上さまざまなポータブルオーディオプレーヤーを試聴する機会の多い筆者は、付属の2本では足りない。そう、4.4mmバランスケーブルだ。製品購入時には、補修パーツ扱いで2.5mmバランスケーブルを別にもう1本購入し(パナソニック製品はこうしたサービスが充実している)、端子を4.4mmに付け換えようかと思っていた。
しかし、よく考えると、2.5mmバランスは4極で、4.4mmバランスは5極なので、内部配線が異なる可能性がある。このあたり、それぞれ仕様上どのような構造になっているのか、ケーブル製造メーカーがどのように製品化しているのかはよくわからなかった。勉強不足というか調査不足で申し訳ない。
最終手段として、3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス/2.5mmバランスのすべてをラインアップしているリケーブル用の社外品ケーブルを入手しようかと思っていた。なぜ、3本のケーブルとも交換するのかと言えば、4.4mmバランスの音と3.5mmバランスの音を比較するとき、ケーブル素材が違うと正確な音の違いを判定できないため。比較のため、なるべくケーブル素材などの条件を揃えたかったわけだ。
筆者がEAH-TZ700を自腹で購入したのは、イヤフォンのリファレンスとして使用するつもりだったので、この点は妥協できない。4.4mmバランス出力を採用したプレーヤーも数が増えてきているし、筆者と同じような要望を持っている人もいるのではないかと思う。別売品でいいので、4.4mmバランスケーブルも用意してほしいとTechnicsには要望を出している。
いよいよ音を聴く。映画の音も聴いているのは、鳥居のレビューなら当然
では、Technicsの最大の特徴である音の良さをレポートしよう。使用したプレーヤーは、Astell&Kernの「A&Ultima SP1000」だ。まずは、国内版の発売が待ち遠しい「ゴジラ King OF Monsters」(以下「ゴジラKOM」)のハイレゾ版のサントラ(44.1kHz/24bit)を聴いた。この映画は本編ももちろんなのだが、サントラの音楽もとんでもないレベルの低音が入っている。シンセサイザーやエレキベースの低音だけでなく、力強いドラムスや和太鼓などの音が目の前で叩いているかのような感じで鳴り響く。
最初に一応スペックを紹介しておこう。インピーダンスは19Ω、音圧感度は108dB/mW、再生周波数帯域は3Hz~100kHz。広帯域というだけでなく、かなり高能率の部類にあるモデルと考えていい。日本人なら一度は聴いたことがあるであろう、伊福部昭による「ゴジラのテーマ」のアレンジバージョンも、低音の重みがゴジラの重みを象徴しているかのように、ずっしりと鳴る。これが実にパワフルだ。
自宅の視聴室にあるB&W Matrix801 S3で聴くと、まさに空気が震える感じの低音が鳴り響くのだが、これとほぼ同質の低音が出たことにはびっくりした。当然ながらイヤフォンなので、部屋の空気が振動するわけがない。だが、耳に入ってくる音としては、空気が震えるような、うなるような低音まで聴こえてくる。イヤフォンでここまでの低音が得られた経験はあまりない。
その低音のエネルギー感の高さが一番の特徴なのだが、決して低音重視のバランスというわけではなく、周波数特性としてはフラットなバランスだし、ポートの共振を利用した低音増強などではなく、かなりタイトで締まった低音だ。
これだけ強烈な低音が出ていて、どうしてフラットなバランスに聴こえるかというと、中域から高域のエネルギーも極めて高いから。全帯域でエネルギー全開な鳴り方なのだ。スペックでわかるようにかなり高能率なので、いつも聴く音量のまま聴くのはちょっと危険。低音や高音だけでなく、大きな音はもちろん、響きの余韻のような小さな音までエネルギーたっぷりなのだ。
剛性が高く、しかもよく動く高性能なサスペンションを装着した車やバイクが、見違えるような動きをするように、音楽の土台である低音が大地のような安定感で音楽を支えるので、メロディーを鳴らす中音域や高音域がより生き生きと鳴るのだ。⾳⾊としてはむしろ穏やかと⾔えるほどで、⾼⾳域はよく伸びるもののマイルドな感触だが、エネルギー感が⾼いので、過大な音量とならぬよう⽿の健康を考えて⾳量は控えめに。
今度はボーカル曲。森口博子の「ガンダム・ソング・カバーズ」から「ETERNAL WIND ほほえみは光る風の中」を聴いた。弦楽器の音色が艶やかで、それでいて胴の響きも感じさせる芯の通った再現だ。なによりも声が力強い。厚みのある歌声で実に情感豊か。音色はニュートラルなので決して男性的な響きにはならず、音の強弱が実に鮮やかに出るので、ダイナミックというかドラマチックな歌になる。どちらかというと、しっとりとした曲なのに、とてもエネルギッシュで高揚感たっぷりに聴こえる。およそ5分ほどの曲なのだが、「機動戦士ガンダムF91」を一本見終わった時のような満腹感を味わえる。
弦楽四重奏の伴奏の音色の揃った音の響きにも感心する。息がぴったりと合ったように、4つの弦楽器が奏でる音が調和して、えもいわれぬようなハーモニーを生み出す。この音色の統一感と音速の揃った感じは、ドライバー一発のフルレンジ構成ならではだろう。広帯域だからその効果も抜群だ。
そして、3.5mmシングルエンドと、2.5mmバランスの音の違いも面白い。バランス接続の方が、ステレオセパレーションが増し音場が広大になるし、特に微小音の細かな変化がよりよく出るので、トータルでの音質は2.5mmバランスの方がいい。だが、3.5mmシングルエンドの音もなかなかのもので、一言でいえば「音像が厚い」。音場をギュッと凝縮したような感じで、ひとつひとつの音のエネルギー感は3.5mmシングルエンドの方が高いとも感じる。熱気たっぷりのロック・サウンドやダンサブルなEDMなどを存分に味わうならば、3.5mmシングルエンドの方が似合っていると思う。
今度は、DSD 11.2MHz音源の「超絶のスーパーガムラン」から「ヤマサリ」を聴いた。100kHzの超高域再生の感じを確かめるためだ。筆者はごく普通の人間なので、20kHz以上の音は聴こえないが、たくさんの種類の金属の板を鳴らしたときの音色の響きや空間に響いていく様子が、実にリアルに感じられた。これが、超高域まで再生できていることが理由と言い切ることはできないが、録音しているその場の空気感、演奏者のテンションの高さまで伝わってくるような表情の豊かな演奏に感じられた。
ひとつのメロディーを複数の奏者が交互に奏でることで、驚異的なスピードで展開するメロディーも実に俊敏に反応するし、無音の部分では録音している場の自然音や録音機器の残留ノイズまで鮮明に鳴らしてしまう情報量の多さには脱帽だ。
最後は、結局国内版の発売を待ちきれずに海外盤のUHD BDを入手してしまった「ゴジラKOM」の本編だ。言うまでもなく爆音映画だし、ダイナミックレンジも怖ろしく広い。詳しい紹介は、別の記事で行うので、ここではクライマックスのゴジラとギドラ(あえてキングとは呼ばない)の対決シーンのインプレッションだけ行う。再生機器はUHD
BDプレーヤーがパナソニックのDP-UB9000、AVプリアンプはヤマハのCX-A52000。HDMI接続したドルビーアトモス音声を、ヘッドフォンサラウンド技術であるサイレントシネマで2chヘッドフォン出力して聴いている。
ヘッドフォンもイヤフォンも、能力的には鼓膜を破るような音圧を出すこともできるし、低音再生能力が優れたモデルも、EAH-TZ700に限らず数多い。しかし、特にカナル型のイヤフォンで映画の音を聴くと、解像感の高さや音場の広さは感じるものの、低音の迫力や雄大なスケール感がコンパクトに感じてしまいがちだ。かと言って音量を大きくしても、耳が痛いだけだ。
予想はしていたが、EAH-TZ700で聴いた「ゴジラKOM」の音は、びっくり仰天だった。我が家のイクリプスTD725SWMK2を2台使った低音と同等の音が出た。ギドラがスタジアムに着地したときの轟音では身体が跳ね上がってしまったほどだし、ビル街の奥からゴジラが姿を表したときの足音を聴くと、歓喜と興奮が入り交じった謎の感情が湧き上がってくる。もちろん、音は漏れないし部屋の空気も揺れない、床も振動しない。だが、頭を揺さぶられたような衝撃があった。ダイアローグや効果音、BGMが正確かつドラマチックに鳴り響くのは言うまでもない。イヤフォンでこんなに凄い音を聴いたのは久しぶりだ。
なんかも、ベッタベタに褒めちぎってばかりの記事になってしまって恐縮だが、これはPR記事だからではなく、自腹で購入した筆者が「買ってよかった!」という気持ちが溢れすぎた結果であることをわかっていただければ幸いだ。
高性能の向こう側にある、ありのままの音楽の姿を描く、Technics入魂の逸品
本機の音は、音の解像度、音場感、音像の厚みやエネルギー感など、オーディオ機器を評価するさまざまな評価軸のいずれも高いスコアをマークする高性能な音だ。昔話で恐縮だが、現代の新生Technisの前の旧Technicsの頃は、高性能なのだが肝心の音が真面目すぎるというか、悪く言うと面白みのない音に感じがちだった。ところが、新生Technicsは、技術へのこだわりや高性能の追求はフィロソフィーとして継承しつつも、音楽としての情感やダイナミックさが備わった音になったと感じる。超弩級ダイレクトドライブターンテーブルのSL-1000R発売以降は、音楽的な表現力の高さがますます高まってきていると思う。
EAH-TZ700もまったく同様だ。さまざまな技術を結集して今までにない画期的な高性能を実現したドライバーをはじめとして、出てくる音もあらゆる面で高性能だ。それでいて、音楽を鳴らしはじめると高性能という感じは消え失せて、音楽の魅力だけが鳴り響く。これこそが、Technicsが目指したありのままの音という境地なのかもしれない。
今や有線接続のイヤフォンは、スマホと組み合わせて使うカジュアルなクラスではワイヤレスタイプのイヤフォンに圧倒されつつある。実際、ワイヤレス型のイヤフォンもかなり音質が良くなってきた。それだけに、有線接続型のイヤフォンはワイヤレス型を圧倒するような音が出せなければ存在意義を失うと思う。そんな圧倒的な音質差を感じさせる威力を持った製品のひとつがEAH-TZ700だ。当然高い。だが、それだけの差をオーディオ好きやイヤフォン好きな人だけでなく、誰でもわかる差として感じさせてくれるのがEAH-TZ700だ。百聞は一聴にしかず。ぜひとも一度試聴して、びっくり仰天してほしい。