デジタル音声信号の理想的な伝送、増幅を追求した革新的パワーアンプ。
独自のデジタル信号伝送インターフェースTechnics Digital Linkによって、
音声信号をスピーカー直前までフルデジタルで伝送・処理するとともに、
実際の音量調整をパワーアンプ側で行い、歪み・ノイズ・ジッターを徹底して排除。
さらに、GaN-FET Driverの採用による高速でロスの少ないスイッチング、
スピーカー負荷適応処理LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)により、
正確かつ、強力で超低ノイズの電力増幅を実現しました。
新開発のジッター削減回路とPWM変換回路を搭載
フルデジタルアンプJENO Engine
(Jitter Elimination and Noise-shaping Optimization)ハイレゾ音源の持つ圧倒的な音の情報を、余すことなく忠実にパワーアンプの出力まで伝送するため、SE-R1ではフルデジタルアンプ構成を採用しました。デジタル伝送は、アナログ伝送に比べ、外部ノイズによる信号劣化が少なく、高精度の信号伝送が可能ですが、従来のデジタルアンプでは、ジッターによる時間精度の劣化と、マルチビット信号を1bit PWM信号に変換する際の誤差により、音の歪み、音質劣化が起きていました。そこで、ジッターによる音質劣化を解決するために、独自のジッター削減回路を新開発。この回路は、低周波帯域のジッターを抑制するノイズシェーピング方式のクロック再生成回路と、高周波帯域のジッターを抑制する高精度サンプリングレートコンバーターで構成され、全可聴帯域において理想的にジッターを削減します。また、PWM変換誤差に対しては、独自の高精度PWM変換回路を開発。ノイズシェーピングの速度、次数と再量子化数、およびPWMの階調数を独自のノウハウにより最適化することで、ハイレゾ音源ならではのダイナミックレンジを損なうことなくPWM信号に変換します。これらの新技術により、自然でありながら、音楽の細かなニュアンスまでも感じることのできる緻密な音の再現を実現しました。
理想的なインパルス応答を実現する
LAPC
(Load Adaptive Phase Calibration)スピーカーのインピーダンスは周波数毎に変化するので、パワーアンプには、その特性に影響されることなく、スピーカーを駆動することが求められます。しかし、従来のデジタルアンプでは、出力段のローパスフィルターを介してスピーカーに接続されていたため、スピーカーのインピーダンス特性の影響をより強く受けていました。また、従来のアンプでは、負帰還により振幅特性を改善していましたが、位相特性まで改善することはできませんでした。そこで、スピーカーを接続した状態でアンプの周波数振幅位相特性を測定し、デジタル信号処理により理想的なインパルス応答に補正するスピーカー負荷適応アルゴリズムを開発。この新手法により、これまでのアンプでは実現できなかった振幅と位相の周波数特性の平坦化を可能にし、空間表現に優れた音の再生を実現しました。
信号劣化の少ない、理想的な信号伝送を実現した
Technics Digital Link
デジタルの音量調整ではbit落ちなどによる振幅精度の劣化、伝送時におけるジッター成分の混入というさまざまな音質劣化要因が存在します。そこで、SE-R1とSU-R1では、ボリューム検出部(ボリュームノブ)を搭載したネットワークオーディオコントロールプレーヤー(SU-R1)側では実際の音量調整は行わず、音量調整情報を音声信号とともにパワーアンプ(SE-R1)へ伝送。ジッター削減回路で伝送によるジッターノイズを削減したのち、PWM変換の直前で音量調整を行う新たな信号伝送インターフェース Technics Digital Linkを開発しました。これにより、ネットワークオーディオコントロールプレーヤーとパワーアンプ間の伝送時における時間精度・振幅精度の劣化を最小限にする理想的なアンプ構成を実現。また、このインターフェースでは、LR独立に伝送することでチャンネル間の影響を排除。セパレーションが高く、微小信号の再現性に優れた再生を可能にします。
余裕あるスピーカー駆動を実現する
High-speed Silent Linear Power Supply
さまざまなスピーカーとの組み合わせで、圧倒的な力感をもつ大信号から繊細なニュアンスをもつ小信号までを正確に再生するには、刻々と変化する音楽信号に対して電圧が変動することなく応答できる、強力かつローノイズな電源回路が必要となります。通常、アンプの電源回路は大容量電源トランスと整流回路、平滑回路で構成されますが、理想的な電圧・電流の波形を実現するため、SE-R1では、“チョークインプット型の平滑回路”と“ディスクリート型の安定化電源回路”を採用しました。平滑回路の主流であるコンデンサーインプット型では、コンデンサーに電荷を蓄えると電圧波形のリップルは減少する一方、アンプは絶えず電流を要求するため、電荷を蓄えてもすぐに放出されてしまいます。また、それを抑えるためにコンデンサーの容量を大きくすると電流の波形変動が大きくなり、音質を考えると好ましくありません。それに対し、チョークインプット型の平滑回路では、電流が定常的に流れることで、力強い音の再現を可能にするとともに、ディスクリート型の安定化電源回路により、徹底したリップルの低減と低ノイズ化を図っています。さらに、左右のチャンネル間の干渉を低減するために、LR独立巻き線の大容量1kVA-Rコアトランス※をはじめ、LR独立のSiC SBDを用いた整流、LR独立のチョークコイルを採用。これらにより、音楽信号の変化に左右されることなく、ゆとりを持ってスピーカーを駆動することができます。
※Rコアトランスは北村機電株式会社の商標です。
LRチャンネル間の相互干渉を排除する
Dual Mono Construction
LRチャンネルの信号が回路内で干渉すると、音像がぼやけたり、音の広がり感が損なわれてしまいます。それを回避するために、デュアルモノ構成のオーディオ回路を採用し、LRチャンネルの信号経路を完全に分離。相互干渉を徹底して排除しました。さらに、電源トランスを中央に、パワーアンプブロックなどのパーツを両端に独立配置した、左右対称設計とすることで、理想的な重量バランスを追求。また、電源はメイントランスの2次巻線以降を左右独立とすることで、優れたセパレーション性能を実現。他にも、最適な回路配置や2重構造シャーシにより、信号経路の最短化を図るとともに、電源部のブロックコンデンサーなどの接続に、AWG12の極太ケーブルを採用したうえ、銅メッキ処理したネジ留め結線とすることで、ローインピーダンス化を徹底。S/N比などのオーディオ特性の向上と、空間表現力豊かな音の再生を実現しています。
徹底した振動対策で、音の純度を保つ
High Rigidity Metal Double Chassis
Partsパーツ
Specificationスペック
- 定格出力(JEITA)
- 150 W + 150 W(1 kHz, T.H.D. 0.5 %,8 Ω,20 kHz LPF)
300 W + 300 W(1 kHz, T.H.D. 0.5 %,4 Ω,20 kHz LPF) - 入力感度/入力インピーダンス
- アンバランス 1.2 V/47 kΩ、バランス 1.2 V/47 kΩ
- 周波数特性
- 1 Hz - 90 kHz( -3 dB, 8 Ω)
- 総合ひずみ率
- 0.05 %(1 kHz, 75 W, 8 Ω, 20 kHz LPF)
- 負荷インピーダンス
- AまたはB,バイワイヤー:4-16 Ω、A+B:8-16 Ω
- アナログ入力端子
- アンバランス×1、バランス×1
- デジタル入力端子
- Technics Digital Link×1
- 電源
- AC 100 V(50 Hz / 60 Hz)
- 消費電力
- 240 W
- 外形寸法(W×H×D)
- 480 × 241 × 567 mm
- 質量
- 約 54 kg
- カラー
- -S(シルバー)
- 付属品
- 電源ケーブル、取扱説明書、保証書
- ステレオパワーアンプSE-R1
- ネットワークオーディオコントロールプレーヤーSU-R1
- スピーカーシステムSB-R1