C70 オリジナル
オーディオボード
C70は本体の底面にサブウーファーを備える構造のため、エネルギーの大きな低音が直接ラックや台を振動させてしまう。リビングの家具に置いて気軽に音楽を楽しめるC70だが、その音の良さを引き出すにはしっかりとした足場になるオーディオボードが不可欠だった。このためC70オリジナルオーディオボードでは、TAOCが開発した鋳鉄粉入りハニカムコアを採用。高音質木質ボードを組み合わせることで、高い強度と優れた制振性を実現。また、熟練の職人による丁寧な塗装仕上げを施すことで、リビングルームにもマッチする美しい外観に仕上げている。
C70オリジナルオーディオボードの断面図。中心にあるのがTAOCの鋳鉄粉入りハニカムコア。それを音質を吟味したパーチカルボードで挟み、さらにMDF材で挟んだ5層構造を採用した。鋳鉄と2種類の木材と組み合わせることで、低音が発する過大な振動を効果的に吸収し、かつ木材ならではの自然な響きが音楽にうるおいを与えている。それぞれの板材を圧着した後、C70のサイズに合わせて切断し、複数回におよぶ塗装・研磨の工程を経て完成となる。作業はTAOCの熟練の職人によって愛情をもって丁寧に行われている。
鋳鉄粉の効果と特性
鋳鉄は密度(比重)、硬度が高く、しかも優れた減衰性も備えた材質。固有振動の測定値を見ると特定の周波数のピークが少ないため、素材固有の音が少ないという特性を持つ。音楽に適した特性を持つことは、グランドピアノのフレーム材に使われていることなどからもよくわかる。鋳造されたハニカムコアは、人間の耳の感度の高い1~2kHzの音のにじみを低減し、2kHz以上の不要な振動も吸収するため、にじみのないくっきりとした音の再現を可能にしている。そこに鋳鉄粉を充填。微細な鋳鉄が振動を熱に変えて吸収することで、不要な振動を適切に減衰させる効果を高めている。