製品特長
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396,000円(税込)
Technicsが誇るダイレクトドライブ方式の進化
Technicsのアナログプレーヤー開発は、ダイレクトドライブ・モーターを現在の技術で進化させるという大きな挑戦の連続です。コギング性能に優れたコアレス・モーターの開発とデジタル制御技術の確立は、ワウ・フラッターやS/Nの諸特性で測定限界に迫る精度を実現しました。そして、ここまで回転精度を高めることで気付いたことがあります。それはワウ・フラッターの数値には表れないわずかな回転変動が、再生音楽に滲みを生じさせると同時に、プラッターの微振動を誘発させ音像を不明瞭にしています。こうした新しい知見に基づき、より高精度に駆動する新世代のモーター駆動技術「ΔΣ(デルタシグマ)-Drive」が誕生しました。SL-1300Gは、新技術に加えてプレーヤーの基本に立ち返り、更なる音の高みを目指して開発しました。微小振動の徹底的な排除を目的にモーター設計を見直し、コイルを取り付ける基板の剛性を向上させたツインローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを新開発しました。またシャーシはダイカストのアルミ厚をアップし、モーターとトーンアーム間に効果的なリブ形状を追加することでさらに剛性を高めています。Technicsが過去から積み上げてきたダイレクトドライブ・モーターのノウハウ、基本に忠実な設計、そしてデジタル時代の幅広い技術が融合したことで、誰も追随できない進化を遂げ、ダイレクトドライブの時代をさらに前に進めます。
ダイレクトドライブ・モーターDirect Drive Motor
微小振動の音質影響の排除のため、
モーター設計を見直した新ツインローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーター
モーターを低速で回転させ、プラッターを直接駆動するダイレクトドライブ方式は、ベルトドライブ方式のように高速なモーターの回転を減速機構を介してプラッターに伝える構造を持たないため、モーターの振動や減速機構のメカノイズによるS/Nの劣化の問題がほとんどありません。また、ベルトなどの部品の定期的な交換が不要な信頼性の高さなど、数々のメリットがあります。SL-1300Gでは、微小振動の徹底的な排除を目的にモーター設計を見直し、ツインローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーターを新開発しました。コイルを取り付ける基板にSL-1000R同様の両面基板を採用し、補強パターンを備えることにより、剛性を向上しています。
最適な回転状態を実現する高精度なモーター制御
モーターの回転制御には、ブルーレイディスク機器の開発で培った最新のモーター制御技術を応用しています。起動時の強いトルクが必要な区間と、速度が定速に達し慣性回転を利用する区間で、異なる駆動モードに切り換えて一定の速度を保ち、強いトルクと高安定性を実現しました。
回転数の検出には、ニッケルと銅のクラッド材料を用いてエッチングで生成した高精度なスリットを持つ光学式エンコーダーを採用し、高精度な回転数の検出を行います。加えて、エンコーダーのスリットの加工精度のバラつきを1台1台学習・補正することで、さらに正確な回転を実現しています。
ΔΣ-DriveDelta Sigma Drive
モーター駆動技術「ΔΣ-Drive」をさらに磨き上げ、
回転ムラや微振動を低減
PWM方式はモーター制御に広く応用されています。また、Technicsのフルデジタルアンプも同様に、高精度、低歪な出力を得るためにPWM方式を採用しています。Technicsでは、この共通点に着目し、モーター回転時のわずかな回転ムラや微振動を低減するために、フルデジタルアンプ開発で培ってきた高音質技術を応用したモーター駆動技術「ΔΣ-Drive」を開発しました。これは重量がものをいうターンテーブルの世界において、信号処理による新しい視点からの音質向上のアプローチです。
「ΔΣ-Drive」は、ΔΣ変調技術により駆動信号の誤差を低減し、高精度PWM生成技術と組み合わせて低歪な駆動信号を生成し、ワウ‧フラッターやS/Nでは測定できないほどのモーターのわずかな回転ムラや微振動を抑えることができます。この微振動は音声信号には逆相成分として現れ音像を不明瞭にしますが、「ΔΣ-Drive」により振動を低減することで音像定位が向上し、明瞭で見通しの良い空間表現を可能にしました。SL-1300GではΔΣ変調の次数を上げることで振動の低減効果をさらに高めています。
「ΔΣ-Drive」に採用されているΔΣ変調とは
Technics独自のフルデジタルアンプやDSD信号、D/A変換器にも用いられる、高精度な1ビットのパルス波形を生成する際に用いられる技術。ノイズシェーピングと言われる雑音(=誤差)成分を高周波にシフトする効果により、演算精度を上げることができます。
「ΔΣ-Drive」の効果
産業用モーターの一般的な駆動回路は、モーター指令値と駆動回路のPWM波形に誤差があり、微振動を発生させる原因となります。これを「ΔΣ-Drive」を使用することで誤差を抑え、振動成分の大幅な低減を実現しました。また、SL-1300Gでは、コントローラーに使用するマイコンの性能をさらに高め、ノイズシェーパーの次数(強度)を上げることでより振動低減を図っています。
ローノイズで電圧変動の少ない電源回路
「Multi-Stage Silent Power Supply」
アナログターンテーブルでは、カートリッジが読み取った微弱な信号を増幅することなく端子に出力されるため、電源が音質に与える影響は少ないと考えられがちです。しかし、今回のモーター駆動技術「ΔΣ-Drive」により、高精度な回転が実現すると、その電源も音質に大きな影響を与えることが判明しました。モーター駆動回路は負荷変動に対応しながら回転速度を維持するために電圧変動に敏感で、瞬時供給能力が高くハムノイズが少ないスイッチング電源が有利となります。さらにスイッチングによるノイズを低減するため、リファレンスクラスのSL-1000Rで搭載したノイズ除去回路「Current Injection Active Noise Cancelling」を組み合わせました。検出したノイズを抽出しトランジスタが逆相の電流を注入することでノイズをキャンセルします。Technicsが培ったローノイズ電源技術で、さらに純度の高いアナログレコード再生を実現しています。
フルデジタルアンプでも実績のある
ローノイズスイッチング電源
Technicsでは長年にわたってスイッチング電源の実用化を研究してきました。スイッチング電源は大型のトランスを持たずトランス自身の機械的振動に対して有利です。一方でスイッチング電源の発するノイズについては、フルデジタルアンプでも実績のあるスイッチング周波数を可聴帯域よりも高くする手法で影響を解消できます。ターンテーブルではスイッチング周波数を100kHz以上に高めています。
SL-1000Rと同等のノイズ除去回路を搭載
「Current Injection Active Noise Cancelling」
電源回路で発生するノイズをさらに低減するため、スイッチング電源の後段にリファレンスクラスのSL-1000Rで採用したものと同等のノイズ除去回路「Current Injection Active Noise Cancelling」を搭載しました。ノイズ抽出器とトランジスタで構成され、検出されたノイズを抽出しトランジスタが逆相の電流を注入することでノイズをキャンセルします。ローノイズスイッチング電源とノイズ除去回路の組み合わせにより、高い電流供給能力とローノイズを両立したターンテーブルに最適な電源回路としました。
プラッターPlatter
高い振動減衰特性を実現した
3層構造のプラッター
レコード盤を載せるプラッターは、アルミダイカストと真鍮製のウェイトを強固に一体化し、不要共振を排除するデッドニングラバーを裏面全体に貼り付けた3層構造として、高い剛性と優れた振動減衰特性を実現しました。固有振動の異なる異素材を組み合わせた重量級のプラッターで、SL-1200GR2と比べ、重量で1.4倍、イナーシャ(慣性重量)1.6倍となっています。さらに、高精度な専用バランス調整機を用いてプラッターを一品一品バランス調整し、調整済みを示す「BALANCED」のシールを貼り付けて出荷します。
ボディ、インシュレーターBody & Insulator
アルミダイカストとBMCによる
2層構造の高剛性シャーシ
ダイレクトドライブ・モーターやプラッターを支え、外部からの振動を軽減するシャーシも、大幅な高剛性化を実施。BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)とアルミダイカストシャーシを強固に一体化した2層構造を採用。アルミダイカストシャーシは、モーター/トーンアーム部の間に補強のリブを追加し、大幅に剛性を高めています。これによりモーターが発する微振動のトーンアーム部への影響を低減してします。
シャーシとのバランス、音質を吟味し、
最適にチューニングしたインシュレーター
筐体を支えるインシュレーターは、高い振動減衰特性と長期の信頼性を兼ね備えた特殊シリコンラバーを採用。高剛性一体加工ボルトとともに成型された構造で縦方向の振動を、マイクロセルポリマーによる円筒型のチューブで横方向の振動を抑制します。これらが強化樹脂製のハウジングに収納された構造となっています。特殊シリコンラバー硬度の選択は本体重量に合わせて専用にチューニングし、外部からの振動によるハウリングの発生を効果的に抑制します。
トーンアームTonearm
Technicsのターンテーブル伝統の
スタティックバランスS字形トーンアーム
レコード盤の回転に追従し高精度な読み取りを可能にするトーンアームは、Technics伝統のスタティックバランス型のユニバーサルS字形トーンアームを継承。トーンアームパイプの素材には軽量で剛性に優れるアルミニウムパイプを採用しました。ジンバルサスペンション構造のトーンアーム軸受け部には、切削加工のハウジングを使用した高精度ベアリングを採用しました。
熟練の職人による組み立て・調整により、
高い初動感度を実現
レコードの盤面に刻まれた信号を読み取るトーンアームは、わずかな動きにも敏感に反応する感度の高さが重要です。このために、トーンアームは熟練した職人の手で組み立て・調整を行っています。これらにより高い初動感度を実現。レコード盤の正確なトレースを実現します。
幅広い種類のカートリッジに対応する
補助ウェイトを付属
カートリッジに合わせて水平バランスを調整するためのウェイトは、標準のウェイトに加えて補助ウェイト小・大の2種類を付属。補助ウェイト小使用時の適用カートリッジ重量は18.7~25.1g(付属ヘッドシェル含む)、補助ウェイト大使用時の適用カートリッジ重量は23.0~28.5g(付属ヘッドシェル含む)となり、幅広いカートリッジの装着に対応しています。
金メッキ端子採用のPHONO端子など、
こだわりのパーツを採用
ケーブルの着脱が可能なPHONO端子を採用。PHONO端子部には音質劣化の少ない金メッキを施しました。また、端子部のケース内は金属シールド構造を採用しており、外来ノイズ混入の影響を低減しています。このほか、使用するパーツも吟味し、優れた音質に仕上げています。
デザインDesign
洗練された佇まいと操作感
Technics伝統のシンプルで快適な操作ができるレイアウトはそのままにシンプルモダンなデザインを採用。シルバーとブラックの2色を展開し、トーンアームベース周囲の要素をベースカラーで統一し、洗練された品位の高い仕上がりとしています。