【連載】音楽と巡る今日までの景色 VOL.01 甲斐まりか

SOUND AND SCENE PRESENTED by Technics VOL.01 甲斐まりか

モデル、女優、そしてラジオのナビゲーターとして活躍する甲斐まりかが、テクニクスの完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ60」と共に辿る、人生の様々なシーンを彩った音楽の記憶
【SWITCH VOL.39 NO.12より】

PHOTOGRAPHY: OTSUJI TAKAHIRO
STYLING: OSHIMA RIKU
HAIR&MAKE-UP: HIRAKAWA YOKO
TEXT: ITAKO JUNICHIRO

環境に応じて変化してきた音楽遍歴

モデルとして活躍する甲斐まりかは幼少の頃から海外で暮らす時間が長かったという。そんな彼女が最初に好きになったのがブリトニー・スピアーズだった。

「五歳の頃、私はマレーシアに住んでいて、幼稚園もインターナショナルスクールだったので、家族との会話もほとんど英語でした。そんな時にブリトニー・スピアーズが流行っていて、彼女のアルバムを初めて買ってもらい、毎日繰り返し聴いていたんです。彼女は私にとってまさに憧れのアイドルでした。それ以降、アメリカのポップスをよく聴くようになりました」

中学生になるとドイツに移り住んだ甲斐。環境の変化もあり聴く音楽のジャンルも変わっていく。

「ヨーロッパに行くとイギリスのロックバンドやボーイズグループを聴くようになりました。大学はスコットランドのエジンバラにある学校に進学したんですが、そこでクラブにも行くようになり、テクノやハウスが好きになりました。こうして振り返ってみると、自分の住む場所や環境、その土地のカルチャーに影響されながらいろいろな音楽を聴いてきたんだなとあらためて感じます」

海外生活が長かった甲斐は邦楽に触れる機会がなかなかなかった。しかし、宇多田ヒカルの音楽は昔からよく聴いていたという。

「家にたまたまあった『HEART STATION』というアルバムに中学生の頃に出会ってから宇多田さんの音楽が好きになりました。だから宇多田さんの音楽を聴くとどこか懐かしい気持ちになるんです」

大学卒業後に甲斐は日本に戻り、現在の仕事を開始。モデルの活動を軸にしながら、この十月から毎週土曜にオンエアされている、J-WAVEの「BLUE IN GREEN」という番組のナビゲーターを務めている。

「ラジオの仕事を始めてから音楽がより身近になりました。番組にアーティストの方々を迎えてインタビューすることもあるので、今では邦楽もたくさん聴いています」

そんな彼女に最近よく聴く音楽について訊ねてみた。

「今はポップな音楽よりも、オルタナやアンビエントなものが自分の気分にフィットしています。心地よく聴ける音に惹かれるんです。今の私にとって音楽は癒しのような存在なのかもしれない」

ライフスタイルに合わせたリスニングスタイル

生活の中のそれぞれのシーンに合わせて音楽の聴き方を選択していると甲斐は言う。

「家にいる時にはできるだけ良い音で音楽を聴きたいと思っているので、それなりのオーディオ機器を揃えて、スピーカーを鳴らして聴いています。私は家でいる時間を充実させたいタイプなので、たとえばNetflixなどを観る時にはプロジェクターで観たりしているんです。家では落ち着いた音楽をじっくり聴く感じですが、仕事に向かう時の移動中などはテンションが上がるようなノリの良い曲を聴くことが多いかな。音楽を聴くことで自分の気持ちを変えていっているのかもしれないです」

普段から良い音で音楽を楽しみたいと考えている彼女に、パナソニックの音響ブランドであるテクニクスのEAH-AZ60を体験してもらった。

「ワイヤレスイヤホンはコードが絡まったりすることもないし、すぐに取り外しもできるので使いやすいなと思っていたんですが、EAH-AZ60は耳へのフィット感がとても良いので、服や手が当たって外れてしまう危険性も少ないし、イヤーピースも七種類あるので、自分の耳の形状に合ったサイズを選べるのもありがたいです。それからイヤホンと連動したアプリがあるのも新鮮でした。高音や低音の大きさを自由に調整したり、ボーカルを立たせることもできて、曲ごとに好みの音にできると音楽を聴く楽しみが増えると思います」

さらに彼女はノイズキャンセリング機能とアンビエント機能の使い分けができるのも嬉しいと言う。

「ノイズキャンセリング機能を使った時の音楽への没入感もすごかったけど、電車で移動している時にはアンビエント機能があると便利ですね。車内アナウンスもちゃんと聞き取れるし、歩いている時は自転車や車の音が聞こえないと危ないですから」

ワイヤレスイヤホンとしての機能性を追求したEAH-AZ60のもうひとつの特徴がハイレゾ音質を聴くことが可能になった点だ。

「ハイレゾ音源はこれまであまり聴いたことがなかったけど、これはすごいですね。歌い手のブレスまではっきりと聞こえてきて、まるでライブ会場にいるような臨場感がありました。これほどのハイクオリティな音をこの小さなイヤホンで聴くことができるのは驚きです」

今回、甲斐には自分の人生の中で印象に残っている場所や風景と結びついている音楽をセレクトしてもらったが、これまで四十を超える国を訪れたことのある彼女にとっては、音楽が呼び覚ます思い出や大切な場所がたくさんあるという。

「大学時代に親友と旅した時にずっと聴いていた曲が不意に自分のプレイリストから流れてきた時には一瞬で当時の情景や感情が蘇ってくることもあるし、聴く度に東京に来て今の仕事を始めたばかりの頃の不安な気持ちを思い出す、自分の原点のような曲もあるし……音楽は人生の節目に寄り添ってくれる。ラジオの仕事を通して、そういう音楽がこれからもっと増えたらいいなと思います」

甲斐まりか

1995年生まれ。幼少時より海外で暮らし、大学卒業後に日本でモデルとしての活動を開始。現在は俳優としても活躍。今年10月よりJ-WAVE「BLUE IN GREEN」のナビゲーターを務めている

衣裳:ジャケット ¥143,000、スカート ¥41,800/ともにHYKE(ボウルズ:03-3719-1239)、トップス ¥29,700、スカーフ ¥9,900/ともにM A S U(エム エー エス ユー:03-6419-7028)、ブーツ ¥190,300/Sergio Rossi (セルジオ ロッシ カスタマーサービス:0570-016-600)、ピアス ¥20,900、リング(右人差し指) ¥22,000、リング(左人差し指)¥24,200/ともにCOLDFRAME(アイクエスト ショールーム:03-6433-5208)(全て税込)

協力:カフェ アルル、東京タワー

SELECTED by KAI MARIKA
6 SONGS FOR 6 SCENES with EAH-AZ60

海外での生活、旅先での思い出、そして東京での挑戦……
甲斐まりかの人生のシーンに寄り添う6つの楽曲

「Oops!…I Did It Again」by Britney Spears

SCENE
自分の部屋

出会ったのが5歳の頃だったので、大人の恋愛を歌った歌詞の意味は理解できていなかったけど、本当に夢中になりました。友達が家に遊びに来た時には部屋で爆音で流しながら、みんなで歌って踊るみたいな。それ以来、今もブリトニー・スピアーズのことはいつも気になるし、初めてファンになったアーティストです

「ラビリンス」by MONDO GROSSO

SCENE
東京タワー

東京で今の仕事を始めた頃に出会った曲です。芸能の仕事には決まった道がなく、迷路のようなものだなと感じていて、そんな自分の状況がタイトルの「ラビリンス」にも通じるなと思い印象に残りました。それと、東京にはたくさん人がいるけど、部屋に帰るとすごく静かでひとりきりになる。そういう東京っぽさも感じる曲です

「Sunset Lover」by Petit Biscuit

SCENE
移動中

エジンバラでの大学時代に親友が教えてくれた曲です。その親友と卒業旅行でモロッコに行ったんですが、その時に7時間ぐらい乗っていた電車での移動中に繰り返し聴いていました。この曲は曲調が大きく展開することもなく淡々としているんだけど、その延々続いていく感じが移動中にすごく心地よかったことを覚えています

「Summer Days」by Rhye

SCENE
公園

Rhyeの男性アーティストとは思えないハイトーンな歌声にセクシーさを感じますが、私にとっては癒し系の音楽のひとつですね。これは夜や夕方に公園の芝生に寝転がって聴きたい1曲。私は自然の中に身を置くことも昔から大好きなんですが、そういうシチュエーションでも邪魔にならない音楽だと思うので、すごく好きです

「花束を君に」by 宇多田ヒカル

SCENE
散歩中

邦楽にあまり馴染みがなかった私が昔からずっと好きな日本のアーティストが宇多田さんでした。ブリトニーと同じように私が憧れるカッコいい女性のひとり。宇多田さんの曲が持っている儚さや切なさに惹かれます。この曲は亡くなったお母さんに宛てた曲だと後で知ったんですが、私にとっては最高のラブソングです

「We've Only Just Begun」by Carpenters

SCENE
喫茶店

小学生の頃、お母さんが車の中でカーペンターズのCDばかりかけていたので、すっかり歌えるようになってしまったんです。そういう思い出もありつつ、大人になってあらためて聴いてみるとすごく良い曲だなと思うし、音の質感や曲調がまるで時間が止まったようなレトロな喫茶店の雰囲気に合うなと思います

EAH-AZ60W

WIRELESS EARPHONES
EAH-AZ60

今秋登場した「EAH-AZ60」は、小型かつパワフルな完全ワイヤレスイヤホン。TechnicsのHi-Fiオーディオ機器開発で培った音響技術を搭載し、ハイレゾ再生を実現。業界最高クラスのノイズキャンセリング性能や2種類のアンビエントも搭載し、使用シーンに合わせた音楽の楽しみ方を提供してくれる。さらに通話音声の事前確認や周囲のノイズをカットし相手に声をクリアに届きやすくする“JustMyVoice”テクノロジーも搭載し、近年ニーズが高まる通話用途でも高いパフォーマンスを発揮する。詳しくはこちらへ。


Back to top