テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。関 祐介

テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。
関 祐介

日々の暮らしに彩りを与えてくれる音楽は、生活の質をワンランク上げてくれるもの。つまり、それを鳴らすオーディオも、音質と同じくらいデザインも大切ということです。今回は〈テクニクス(Technics)〉のターンテーブルをお持ちという建築デザイナーの関祐介さんに、コンパクトステレオシステム「SC-C70MK2」と完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」の良さを体感してもらいました。

ー 関さんはなぜ建築デザイナーになったんですか?

関 祐介(以下、関) 高校生のころに、とある雑誌で〈イームズ(Eames)〉の椅子を見かけて、美術の先生に質問したのが最初にデザインへ興味を持った瞬間でした。ジョージ・ネルソンとか、いわゆる60年代のミッドセンチュリーデザインというのを教えてくれて。そのときに初めてデザインというものを意識し始めました。

ー 最初は椅子のデザインへの興味からスタートしたんですね。

 そうですね。美大を目指して勉強していくなかで、「空間全体を設計できる職業を目指すのも手だ」というアドバイスを先輩からもらったんです。椅子だけでなく、空間をデザインすることができたら、やりたいことに近いのかなと思って。

ー そのときに考えていた、やりたいこととは?

 ファッションと密接な仕事をやりたいと考えていたんです。空間をつくることができれば、ファッションとも仕事できるかもしれない、と思って。もう少しファッションブランドと一緒にお仕事したいですね。

関氏

ー いま現在、関さんは東京と京都の2拠点で活動されていますがその理由は?

 ある日、友人から前触れもなく物件があると連絡が来たんです。自分で設計して、施工してもらえれば使えるようになるな、と。それで京都に拠点を構えることになったんです。その京都のスタジオの他に、もう1つ拠点として町屋「せきのや」もあります。友人が借りていた場所だったんですが、彼らが出るタイミングで知り合いにということで、申し出ました。

ー 今日の取材場所である「スニート(Sniite)」も関さんがデザインされたお店です。

 「スニート」はオーナーの神戸さん(神戸 渉)とも友人同士だったので、物件探しから一緒にしました。要望としては〈テクニクス〉のターンテーブルやスピーカーを置きたいってことだけで、あとは任せてくれまして。オーナーがカルチャーや音楽を好きなので、それを大事にしたいということだったんですが、僕も〈テクニクス〉のターンテーブルを持っているので気持ちがわかるというか。

テクニクスターンテーブル

ー では、関さんは空間にオーディオを置く場合、どんなデザインを選ぶのがいいと思いますか?

 空間にフィットさせるという考え方ではなく、置いたときに違和感が出ないものがいいと思っています。どうしてもオーディオって素材感だったり、空間から浮いてしまうことが多いんです。

ー 今日お試しいただいた、「SC-C70MK2」はいかがですか?

 「SC-C70MK2」はどんな空間にも合うし、置くだけで空間の質がワンランク上がりそうだと感じました。僕が一番いいプロダクトだと思うのが、空の箱に置くだけで空間が高揚される、こういうモノなんです。設計したホテルでも使いたいですね。個人的には和室に置くのもいいなと思っていて、町屋に欲しいぐらい(笑)。

SC-C70MK2

ー 実際にホテルに導入されているみたいです。「SC-C70MK2」は〈ナショナル〉時代に高級家具に合うオーディオとして、「正倉院」にインスパイアを受けたデザインを採用した「飛鳥」を現代的に、アレンジしたデザインなんです。

 「飛鳥」のデザインもカッコいいですね! どおりで和室を連想させるわけです。トップパネルからサイドにかけての角の出し方がいいですね。エッジの出し方で、高級感がぐっと高まっているますし、〈テクニクス〉らしさも感じます。

ー さすが、デザイナーだけあって、細かなところにも気がついてくれますね。

 はい。音量ボタンの収まりとか、すごくいいなって思います。あと、特に気に入ったのは、影の落ち方です。自分が設計するときもそうなんですけど、どう影を落とすかで見た目も全然違って見えるんですよ。モノの高級感って影の質量で決まっているんじゃないかな、と個人的に考えているので。

SC-C70MK2
影

ー デザイン全体を見て、思うことはありますか?

 デザインされているんだけど主張し過ぎていないところに感銘を受けます。人はついデザインに自分の主張を入れたくなるんです。でも、それをできるだけ排除しているんだなと。デザインをしているけど、それを過度に見せようとしない。それは僕にとっても理想のデザインと言えますね。寸法はどうやって出しているんですか?

ー 音質から空間容積を取らないとというところから始まり、外のデザインと内側の構造でせめぎ合っているみたいで。実は中に木箱が入っていて、木の音の鳴りがいいからどうしても入れたかったそうです。

 建築の考え方に近いですね。飲食店とかって厨房スペースが絶対なので、置かれるものから情報を整理して、組み立てていくんですよ。木は硬いほうがいいんですか? それとも柔らかいほう?

ー どう鳴らしたいかによるみたいですね。後ろのポートという穴から音を逃がしているんですが、その設計に対してスピーカーの容積はこれぐらい、木箱はこの大きさという風に、外観からは見えない技術者の想いが詰まっているそうで。

 なるほど。聴いていて、いまの最高技術を入れてるこういうモノは、置くことで生活の質が上がるというのが一番いいんだなと思いました。それは見た目も一緒で、安価な素材でつくるという訳でなく、「SC-C70MK2」みたいな美しいつくりが正解中の正解なんだと思います。

SC-C70MK2

ー 実際に音楽を聴いてみて、サウンド面はいかがですか?

 コンパクトなのに、しっかり低音も出ていダイナミックな音ですね。自宅用でもいいんですが、音量も出せるので「スニート」みたいなカフェとか、お店で使ってもよさそうです。スポティファイもすぐに聴けるし、「 Space Tune™ Auto」は音質を自動で調整してくれるのも便利ですね。

EAH-AZ70W

ー 今回は完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」もお試しいただきたいのですが、普段イヤホンは使われますか?

 僕は仕事に確実に集中したいときにイヤホンをつけます。1人でいるときもそうなので、空間を遮断するような感覚ですね。そして、電話などの音声機能がしっかりしていることも必須です。

ー そういった観点からみて「EAH-AZ70W」はどうでしょう。

 どちらの色も高級感があるデザインで、大事にしたくなる意匠だと感じました。イヤホンの光るパーツが小さいのも控えめでいいと思います。ケースを閉める音もいいですね。高級感があるものは大事にしようとするから、失くさないように気をつけそうですよね。

ー 確かに、それはありますね。

 これがプロダクトの面白さだと感じていて。持つことで、その人の生活サイクルが変わってしまうかもってことまで考えると楽しくなります。「EAH-AZ70W」は無造作にリュックに投げ込もうと思わないデザインじゃないですか。そこからカバンの選び方が変わったり、服装にも変化が出たり、はたまたライフスタイルまで変わりそうだと。

EAH-AZ70W
Space Tune™ Auto スマホアプリ

ー 音質の面はどう感じましたか?

 ワイヤレスのイヤホンって音が悪いイメージがありました。でも、クリアですごくいい音がしますね。通話の音質も〈ナショナル〉時代からずっと電話機をつくっていただけあって、しっかりしています。

ー このイヤホンはスマホアプリの機能も特徴なんです。

 外音が聞こえるアンビエント機能は面白いですね。音楽を聴きながら、外音もよく聴こえて。ノイズキャンセリングもすごい。こういう機能を使うと違和感を感じることが多いんですが、「EAH-AZ70W」は大丈夫ですね。あと、付け心地もフィット感が良くて軽いからストレスにならないですよね。僕は新幹線での移動が多いので、そういうときにも使いたくなります。

ー 新幹線の騒音も、業界最高クラスのノイズキャンセリングということで、ご安心ください。

 今日も京都から新幹線で来たのですが、帰りが楽しみです。仕事の必需品としてノートパソコンやキーボード、マウスなどがあるんですが、「EAH-AZ70W」も今後そんな風に使っていけそうです。

EAH-AZ70W
  • Photo_Takuroh Toyama
  • Text_Ryo Tajima(DMRT)
  • Edit_Shuhei Wakiyama(HOUYHNHNM)
PROFILE / 関 祐介
「Yusuke Seki studio」主宰の建築デザイナー。取材場所である「スニート(Sniite)」や桜新町にある「オガワコーヒー ラボラトリー(OGAWA COFFEE LABORATORY)」など、数多くの空間デザインを行なってる。東京と京都の2拠点生活を送っており、京都にはスタジオと町家「せきのや」がある。町屋を使用したアーティスト・イン・レジデンス的な活動も行っている。

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