「Technics×CIRCLE '22」特集

デジタルネイティブ世代でありながら、両親やメンバー間の影響を受けてレコードにハマっていったと言うyonawo。そんな彼らのレコード愛や音楽愛を探るべく、地元・福岡にある馴染みのミュージックパブ・FOOLS GOLDで、Technics(テクニクス)の最新ターンテーブル「SL-1200MK7」とワイヤレスイヤフォン「EAH-AZ60」を試しながら、自作やお気に入りの作品について語ってもらった。

ー 壁一面にレコードが並んでいて、音楽好きにはたまらない店ですね。この店にはよく来られるんですか?

田中慧(B) はい。昨日も1人で来ました(笑)。初めてこの店に来たときは、「うわっ、レコードがいっぱいある!」と驚いて、「これかけてください」「あれかけてください」って、いろいろお願いして聴かせてもらいました。

荒谷翔大(Vo) 新譜もめちゃくちゃあるのでうれしいです。

ー これだけあれば、かけてもらいたくなりますよね。自分たちでもレコードは買っていますか?

荒谷  最近福岡から東京に引っ越して、シェアハウスで一緒に暮らしているんですけど、みんなが集まるリビングでレコードが聴けるようになっているんです。そういう環境になったことで、前よりレコードを買うようになりました。メンバーそれぞれのレコードが、いつもプレーヤーのところに置いてあって自由に聴けるんです。

ー 自分が知らないレコードを聴けたり、ほかのメンバーが何を聴いているのかがわかったり、リビングのプレーヤーを通じて音楽の情報交換ができるわけですね。

荒谷 そうですね。誰かが買った新譜があって、「お、買ってきてるやん」って聴いてみたり。めっちゃ楽しいです。レコードを聴いてたら、ほかのメンバーが「何かけとるん?」って寄ってきて音楽の話になったりするし。

田中 「こんなの持っとった?」みたいな。

斉藤雄哉(G) やっぱり音ですね。デジタルとは全然違うから。どっちがいいというより好みの問題だと思うんですけど、僕はレコードの音のほうが好きなんです。

田中 聴いていてあんまり疲れないし、音が優しい感じがする。

荒谷 けっこう大きめのボリュームで鳴らしてても大丈夫やしね。あと、レコードをかけるまでのプロセスも好きです。まずジャケを見て、レコードを取り出して、そこに針を落とす。CDとか配信で聴くときとは心持ちが違うから、聞こえ方も違うのかもしれない。

ー そうやって手順を踏むことで、音楽を聴きたい気持ちが高まっていくのかもしれませんね。ライブに行くときに、家で準備をしているときからワクワクするみたいに。

荒谷 それ似てるかも。聴くまで準備しているのも楽しい。

斉藤 あと、途中でひっくり返すのもいい。

田中 あれ好き! お得感があるやん。A面が終わったあとに、「まだB面があった」みたいな。CDは裏返しても聴けんもんね。

斉藤 CDって最後のほうの曲はあまり聴いてないことが多いんですよ。でもレコードは1回裏返すから、改めて意識を集中できる。だからレコードは最後のほうの曲もちゃんと聴いているんですよね。

ー 針を落としたり、ひっくり返したり、そうやって手間がかかることで、レコードとの関係が深まっていくのかもしれませんね。手間がかかる子ほどかわいいというか。

田中 愛着が湧きますね。

斉藤 扱いは適当やけど(笑)。

田中 レコードは終わってるのに、(針を上げずに)ずっと回ってたりするし。あの終わったあとのノイズ音も好き(笑)。

ー レコードのノイズは気にならない?

斉藤 気にならないですね。デジタルのノイズは苦手だけど。

田中 レコードのノイズは曲と溶け合っているみたいで、いい雰囲気。あと、ジャケがいいやつとかそれだけで欲しくなります。福岡のスタジオではジョン・レノンとか大貫妙子さんのレコードを飾ったりしていました。

斉藤 飾っとったねー。

ー 今回、「SL-1200MK7」を使ってみていかがでした?

斉藤 今僕らの部屋にあるのもTechnicsなんです。だからすぐに使えるし、使っていて安心感がありますね。

田中 機能がシンプルで表示もわかりやすい。プレーヤーでレコードを聴くのは最初は敷居が高そうだったけど、すぐに使い方を覚えました。レコードに針を乗せるときは緊張するけど(笑)。

野元喬文(Dr) 初めての人でもすぐ使えそう。

斉藤 周りのレコードが好きな人は大抵Technicsを使ってるし、「これ持っとけば大丈夫!」という安心感があります。

荒谷 僕はTechnicsしか知らないからなあ。これを持っていれば、ほかのプレーヤーを使いたいとは思わない。浮気心が湧かないというか(笑)。

ー ワイヤレスステレオインサイドホン「EAH-AZ60」は使ってみてどうでした?

荒谷 ノイズキャンセリングの密閉感がないのに驚きました。ノイキャンは耳が痛くなるというか圧迫感があって苦手だったんですけど、これは空間に奥行きがあって、電車の中で聴いていても低音が心地よく聴けるし、音が詳細にわかる。宇多田ヒカルさんを聴いたら、めっちゃ気持ちよかったです。低音が気持ちいいから、R&Bとかダンスミュージックに向いてるかもしれない。

田中 1つひとつの音がクリアで、音の位置がはっきりわかりました。ベースの音もよくわかるし、ドラムの音も、シンバル、キック、スネアの音が混ざらずにはっきり聞こえる。これまで聴いてた音楽が鮮明に聞こえて新鮮でした。イヤーピースが7種類もあって、自分の耳にしっかりフィットさせることができるのもいいですね。

野元 あと、めっちゃ軽い! 耳に着けていても痛くないし、ノイズキャンセリング機能がすごくて、音が軽やかに耳に入ってきて、部屋で1人で聴いているみたいに集中して聴けました。

ー 以前、野元さんはイヤフォンを扱う仕事をしていたそうですね。

野元 Bluetoothとかモバイルイヤフォンをお客さんに紹介していたんです。高校生のときに高性能のイヤフォンにハマって、周波数をチェックしたりしてたんですよ。でも、これまでこのイヤフォンに近いものはなかった。だから使ってみてすごく新鮮でした。新しい靴を買ったみたいな感じ。「何、この靴。履きやすい!」みたいな(笑)。

荒谷 新素材!? みたいな(笑)。

ー 新しい靴みたいなイヤフォン(笑)、いいですね。斉藤さんはどうでした?

斉藤 余裕がある音で、スピーカーで聴いているみたいでした。小さいスピーカーで大きな音を鳴らすと余裕がないじゃないですか。がんばってる感じがするというか。そうじゃなくて、でっかいスピーカーで鳴らしたような音ですね。耳に入れるイヤフォンは、音が近い気がして好きじゃないんですけど、これは気にならなかったです。音がスッキリしているからかもしれない。

ー ちなみにこのイヤフォンは福岡で開発されたそうです。

全員 へー!

斉藤 めっちゃいいじゃないですか!

荒谷  俺たちと同じ福岡がルーツなんや。やっぱりノイキャンしたときに密閉感がないようにいろいろ研究したんですか?

Technicsスタッフ はい。耳の負担にならないように。

斉藤 俺、このイヤフォンでノイキャンしてなかった。すみません、もともとノイキャンは苦手なんです。

Technicsスタッフ ノイズキャンセリングの強度を調整できるので、よかったら試してみてください。

斉藤 調整できるんですか?

Technicsスタッフ 100段階で調整できます。

斉藤 100段階!? ヤバ(笑)。やりたい!

野元 100はすごい! 聞いたことない。

斉藤 (試してみて)おもろ! これなら大丈夫そう。自分の好きな強度で聴ける。明日東京に帰るので、さっそく飛行機で試してみます。

ー 福岡から東京に引っ越して、新しい生活はどうですか?

斉藤 楽しいですね。メンバーと一緒に暮らすことで、制作の仕方が少し変わりました。前は各々が家で制作していたから、ある程度完成したものをほかのメンバーに聴かせていたんです。今はこれまで人には聴かせられなかった状態のものでも聴いてもらうから、その段階で意見を言ってもらえるし、早い段階で軌道修正できる。それがいいですね。

荒谷 誰かが作業しているところにふらっと入っていって、アイデアを出し合ったりね。

ー となると、新作が楽しみですね。

荒谷 これまでとはガラッと変わると思いますね。今ミックス中の新曲があるんですけど、もうすぐ聴いてもらえると思います。これからシングルをいっぱい切っていく予定なんですよ。(※インタビューは5月に実施)

ー それは楽しみですね。アナログはこれからも出していく予定ですか?

荒谷 はい。思い出作りっていうところもあるし(笑)。

斉藤 それあるね(笑)。

荒谷 配信は実態がないじゃないですか。モノとして残したいんですよ。

野元 レコードって思い出が詰まってますからね。それにファンの方も喜んでくれるし。

荒谷 レコードの場合、自然と最初から順番に聴くじゃないですか。自分たちが考えた曲順で聴いてもらえるのもうれしい。あと、自分たちでデザインしているジャケットを大きなサイズで見てもらえる。

野元 僕はデジタルでジャケットの絵を描いているんですけど、それがアナログ盤として実体化するのがうれしいですね。「こんなふうにプリントされるんや」って。

斉藤 音もそうやんね。デジタルでレコーディングしているけど、それをアナログでプレスするっていうのが面白い。音もジャケットもレコードならではの魅力があるので、これからもレコードと楽しく付き合っていきたいと思います。

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PROFILE / yonawo
荒谷翔大(Vo)、田中慧(B)、斉藤雄哉(G)、野元喬文(Dr)からなる福岡発の4人組バンド。2018年に自主制作による2枚のCD作品「ijo」「SHRIMP」をリリースすると、地元のカレッジチャートにて耳の早いリスナーを中心に話題を集める。2019年11月にワーナーミュージック・ジャパン内のレーベルAtlantic Japanからメジャーデビューを果たし、2020年4月には初の全国流通盤となるミニアルバム「LOBSTER」をリリース。11月には1stフルアルバム「明日は当然来ないでしょ」を発表した。2021年8月に2ndアルバム「遙かいま」をリリース。2022年3月にデジタル音源集「Prescribing The...」、4月に限定クリアヴァイナルのLP「305」を300枚限定でリリースした。6月にデジタルシングル「After Party」をリリース。7月にはテレビ東京系ドラマ「晩酌の流儀」のオープニングテーマに提供した新曲「yugi」を配信した。
SL-1200G
AZ60

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