katsuyuki setoさん

katsuyuki setoさん
PROFILE katsuyuki setoさん
1975年生まれ。兵庫県出身。スタジオスペースラボ代表。360°の音声再生領域を活かし、聴覚のみで映像を連想させるような『3D MUSIC』という新たな音楽ジャンルを確立させた世界初の3Dサウンド デザイナー / プロデューサー。2010年には、クリエイター100選に選ばれた。池袋サンシャイン水族館、ラゾーナ川崎クリスマスイルミネーション2013など多数のイベント・会場での特殊音響空間をプロデュース。2015年には、Panasonicセンター東京での2020年東京オリンピック・パラリンピック特別展示会でのサウンドデザイン&サウンドプロデュースによる音響空間の総合演出を手掛ける。

INTERVIEW MOVIE

臨場感を演出した
SC-C500「OTTAVA™」の
奏でる音との衝撃的な出会い

― テクニクスのオーディオ3機種を試聴いただきましたが、まずSC-C500「OTTAVA™」でハイレゾ音源を試聴された率直な感想をお聞かせください。

katsuyuki setoさん 試聴して臨場感が素晴らしいなと驚きました。これはヘッドホンでは感じ取れない魅力だと思います。どこにいてもバランス良く音が聴こえるというのは、僕が今まで聴いてきた「ミニコンポ」「ミニオーディオ」という類いのものでは、到達できないレベルかなと思います。聴いてみるとすぐにその魅力に気づくのではないでしょうか。今までどこもあまり手を出さなかった「スピーカーで臨場感を作る」ことを実現させたのは、一種のステータスだと思いますよ。

katsuyuki setoさん

― 具体的にどのように「臨場感」が伝わる音が聴こえるのでしょうか。

katsuyuki setoさん ハイレゾになると特にハイ(高域)の音が飛び出してくるので、中域低域の音がどこまで小さなスピーカーでカバーされるのかってところが重要なんですよね。

今、世の中に出ているピュアオーディオは、100kHzまで再生できるとか、スペックだけで話している部分が結構あって、でもそれは、高域の周波数の音だけが鳴ってもダメなんですよね。要は音域全体のバランスなんです。
SC-C500「OTTAVA™」は、そのバランスがスピーカーの中で、きちんとレベルの高い部分でマッチングされていますね。

ウーハーの鳴り方の形状が違う、ハイレゾで一番大切なハイ(高域)を鳴らすツィーターが3方向、正面と左右についている、というところは、今まで僕が見てきたスピーカーの配置とは違った付け方で、こうも臨場感を演出できるんだな、という音との出会いが僕の中では衝撃でしたね。

katsuyuki setoさん

― デザインについてはいかがでしょうか。

katsuyuki setoさん デザインも素晴らしいです。LEDが光る演出が憎いですよね。ビジュアルの質感もオーディオにとって重要だと個人的には考えています。音の鳴り方と見え方の質感のバランスが合っているので、インテリアとして置いておくのもいいと思いました。

あとは、CDの回転が見える、というのは新しいですよね。普通CDは、スロットに入れて閉めるという形状ですが「盤が見える」という部分が、レコードプレーヤーとしてのテクニクスからのこだわりなのかなと感じました。これは僕らの世代には、かなり嬉しい部分ですね。

SC-C500「OTTAVA™」には上品な遊び心がありますね。新しさもありながら、レコードの系譜が感じられるところが素晴らしいです。僕たちのマニアックな部分も刺激されるデザインですね。

 

音楽を楽しむ若い人たちの
次のステップになるオーディオ
SC-C500「OTTAVA™」

― 試聴されている際に「若い人に勧めたい」とおっしゃっていましたが、なぜそのように思われたのでしょうか。

katsuyuki setoさん すべての方たちではないですけども、今の若い方たちは「いい音」を楽しむことよりも「便利さ」の中で音楽を楽しんでいると思うんです。便利という部分で言うとこれは僕ら世代でもそうですけどね。
SC-C500「OTTAVA™」は、そういった意味では特に若い方たちの音楽への携わり方の、次のステップになるオーディオ再生システムだと思います。 この臨場感とスペックと金額感のバランスを考えると、とてもお得だなと思います。 若い方でも頑張れば手を伸ばせる。SC-C500「OTTAVA™」を部屋に置いていたら「あ、イケてるじゃん!!」って思われるんじゃないでしょうかね。

katsuyuki setoさん

プロのスタジオエンジニアにも勧めたい
C700シリーズのポテンシャル

― では、C700シリーズについても感想をお願いします。

katsuyuki setoさん 通常スピーカーは2wayや3wayで作られているものが多いんですが、音楽を聴くときには1wayが一番自然な形で音が鳴るんです。ツィーターがど真ん中についている、というのはハイレゾを楽しむ上で理想型だと思います。
聞こえ方で言うと、C700シリーズは音のまとまりが一番フラットですよね。特に高音域と低音域がまとまっていて素晴らしいです。そういう意味では「ピュアオーディオ」というものを体現していると思います。

音の再現性でいうと、これくらいの大きさでのスピーカーでは、他のスピーカーと比べかなり差があり、とてもポテンシャルが高いスピーカーです。

今、世間で賑わっているハイレゾ音楽は、今後はもっとカジュアルになってくると思います。需要と供給と言う意味では、ハイレゾ音楽が世の中にどんどん普及すればする程、必然的にモニター環境というのは、今後、音を楽しむと言う意味では、もっともっと重要になってきます。そこで、1wayでのモニタリングをするのに、C700シリーズは非常に良いオーディオだと思います。どちらかと言うと、これはプロの制作環境でぜひ使ってみたい。スタジオにおけるハイレゾスピーカーのスタンダードになる可能性は大いにあります。

で、その制作した音をヘッドホンや小さなパソコン用のスピーカーで確認するだけではハイレゾでは特に限界が出てくると思いますので、ハイレゾの再現性を100パーセント活かせる機材を用意した方が、よりハイレゾの良さがわかると思います。クリエイターやミキシングエンジニアにおいては、このC700シリーズは、ハイレゾのクオリティを限りなく再現してくれると思います。ご自宅で楽しむのは元より、プロのみなさんにも、ぜひ、お勧めしたいなと思います。

katsuyuki setoさん

R1シリーズで楽しむハイレゾ音源
この音を表現する言葉は「躍動感」

― R1シリーズでの試聴について、率直なご意見をお聞かせください。

katsuyuki setoさん スピーカーは、通常サブローとウーハーは切り離すんです。80Hz以上はスピーカー本体から流し、低音はサブローから流すんです。そうすると迫力が出るんですよね。でも一つの音楽として楽しむ場合、その低音域と中音域、高音域のバランスが崩れがちになります。

その点、R1シリーズのスピーカーは音のバランスが非常に素晴らしい。特に音のロー周りの空気感がすごいですね。例えば、ドラムの形状だったり位置までもが想像できるんですよ。

生の音、ライブ感のある音楽、これをハイレゾで楽しむと言う意味でR1シリーズを聴いてしまうと、なかなかもとの、いわゆる通常のスピーカーにはもどりづらいですね(笑)それと、音にふくよかさがあります。これを言葉で表現すると「躍動感」と言う事になるんでしょうね。聴いていて素直にテンションが上がります。聴いていて楽しい、聴いていて心地良い、というのは音楽を楽しむ上で一番重要なことだと思うんですけど、この「気持ち良い」という音をきちんと形にしてくれているのが、R1シリーズだと正直に思います。

― もしkatsuyuki setoさんがR1シリーズを購入したら、どんな場面で使用されるでしょうか。

katsuyuki setoさん R1シリーズは音制作の最終工程であるマスタリングで使いたいな、と思いました。マスタリングは、音の音質・音量を調整する最後の作業です。エンジニアがイコライジング(周波数をコントロールすること)をする工程なのですが、これにはスピーカーの性能が非常に深く関わります。R1シリーズの音のクオリティーによって、更に音源の質が良くなるとおもいますので、そういった現場で使ってみたいと思います。

katsuyuki setoさん

“音を聴く”という点で計算し尽くされた
リスニングルーム

― 本日試聴された「リスニングルーム」の環境はいかがでしたか。

katsuyuki setoさん このリスニングルーム、かなり考えられて作られていますよね。スピーカーから再生される音にこだわっているのはもちろんですが、この空間はその音の再現性をどうやって上げていくか、ということが考えられていると感じました。

僕らが音を作っていく環境は、まったく逆のベクトルで作られています。残響音が残ると音の粒立ちがわからなくなるんです。“音を作る”という点では音がデッドな状態(残響音などが残らない、音の広がりがない状態)が重要なんですが、“音を聴く”という点では、やはり臨場感がある方が良いですね。

このリスニングルームは“音を聴く”ということに力を入れているので、ベストバランスの臨場感を味わえます。だから音楽がとても気持ちよく聴こえる設計だと思いました。音がきちんと反射する天井の高さ、そして壁は音を良いバランスで吸音している…すべて計算されているな、と思います。

オーディオマニアの方も満足できると思いますし、こういったハイレゾの音楽をまだ聴いたことのない若い人たちには、感動のある場所かと。
ピュアサウンドを再生する、音楽を楽しむ環境が、ここにはすべて詰まっています。だから、今まで音楽が好きだった人も、これから良い音楽を聴きたい人も、このリスニングルームで「音楽って素晴らしい」と本能的に感じ取ることができると僕は思います。

katsuyuki setoさん

若い人たちにこそ知って欲しい
「Technics」の音

― テクニクスオーディオ3機種で試聴いただきましたが、katsuyuki setoさん自身「Technics」というブランドにはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

katsuyuki setoさん 僕らの世代はまず「ターンテーブル」のイメージが強いですよね。クラブミュージックなどに携わってきている人間ならまず知っているかと。DJ = Technicsですよね。それこそ社会現象みたいになっていたと思います。一時期みんな「Technics」のロゴが胸に入ったTシャツを着ていましたからね(笑)。

でも、スピーカーのイメージも強いです。今日試聴させていただいたR1シリーズのスピーカーのあの木の感じが懐かしいなぁ、と…僕も3wayのスピーカーを持っていましたよ。

― ターンテーブル、スピーカー、そしてピュアオーディオと展開してきたテクニクスですが、今後「Technics」ブランドにはどのようなことを期待されますか。

katsuyuki setoさん ブランドの選び方は多種多様ですが、クリエイティブの要素は若いころに大きく影響される部分だと思います。僕たちクリエイターからすると「Technics」というのは高いレベルのプロフェッショナルブランド、のイメージが強いです。その中で、今後はテクニクスの「音」を広く知ってもらえる機会があることが肝になるのかな…と考えています。若い人たちにも、もっとこの「Technics」ブランドを知ってほしいですね。

katsuyuki setoさん
ページトップへ戻る

インタビューリスト

インタビュー一覧へ戻る

Back to top