白井 貴子(ミュージシャン)
1959年湘南生まれ。中学で京都へ移住。京都女子高校卒。フェリス女学院音楽科卒。1981年デビュー。1984年「Chance!」のヒットを機に「渋谷ライブイン10DAYS」「西武球場ライブ」を成功させ「ロックの女王」と呼ばれる。1988年から2年間、ロンドンへ移住。帰国後、子供達の歌を多数発表。2016年、作詞家で精神科医の北山修氏の歌を歌い継ぐアルバム『涙河』発表。2023年難病の母の介護の日々を綴った著書『ありがとうMama』を初出版。楽曲「Mama」とMVも同時配信。1985年に発売されたアナログ版『FLOWER POWER』復刻リリース。2024年11月1日(金)白井貴子&The CRAZY BOYS「クールジャパンパーク大阪WWホール」にてライブ開催決定!神奈川県環境大使・環境省3R推進マイスター・2027年横浜で開催の「GREEN EXPO」応援団長に就任。
- オリジナル・サウンドトラック
- 小さな恋のメロディ
- 「In the Morning」!映画もアルバムもこの曲から始まる。'88年〜'90年。ロンドンに住んでいた2年間は朝になると、いつもこのアルバムの映画の風景を思い出した。希望に満ちた1日がやってくる気持ちをかき立ててくれる名曲。ビージーズの清々しく美しい楽曲「メロディ・フェア」が流れるシーン。主人公メロディーがカーニバルで金魚を買って歩く場面はとてもキュート!初めてロンドンにライブとアルバムジャケットの撮影に行った86年、音楽ライターの伊藤博伸さんが同行してくれていて、このアルバムの話になり、伊藤さんもこのアルバムを大好きで「メロディーが歩いた道を調べた!」と聞きビックリ!彼女が水槽に金魚を放すシーンのその水槽に道の名前が書いてあって、それを書き取ったと言うのだ!早速その道、ランベスロードへ行ったのは素敵な思い出。保守的な中にも妙な粗雑さ溢れるロンドンの人々の日常がよくわかる美しく楽しいシーンのバックに流れるこのアルバムはロックからフォーク、クラシックまで網羅されている素晴らしいアルバムだ。まだ家にターンテーブルがなく、仕方なく父が英語の勉強するのに買ったテープレコーダーで何度も聴いた、生まれて初めて購入した「小さな恋のメロディー」のカセットテープ。後にLPとDVDも購入。
- Grand Funk Railroad
- WE'RE AN AMERICAN BAND
- 「さぁ!今日も1日がんばろう!」って時にいいかもしれない。10代の頃は一瞬聴いただけでこの曲が大好きになり、アルバムを買いに走った。買ってびっくり。ジャケットを開いたら、真っ裸の男子が馬小屋に!ボーカルのマーク・ファーナーがハンサム!また歌が上手! あれから50年!久しぶりにゆっくりアルバムを聴いた。かなりブラック・ミュージックの影響が強かったんだな〜と。ティーネージャーの頃は、そんなこと考える頭がなかったけど、よくここまでアメリカン・ロックへと昇華させたものだ!と今頃、関心。それもそのはず「ロコモーション」もリリースした彼等だもん。そう思ってやけに納得した。
- The Raspberries
- Fresh Raspberries
- 10代の頃、リアルタイムにデビューしたバンドとして大好きになったのがラズベリーズ。「貴子の曲は元気が出る!」とよく言っていただくが、彼らのヒットシングル「明日を生きよう」と言う邦題は10代の私に前向きで、ストレートなロック魂を与えてくれた。デビューしてからよく「レモンの香りのするロックミュージックを作りたい」と言ってきたけれど、そのイメージの源はきっとラズベリーズ!当時ボーカルのエリック・カルメンは、ポール・マッカートニーの再来!と言われ注目を浴びた。ほんとに私もそうだと思った。あと、彼のアルバム『All by Myself』も大好きだった。今年彼が亡くなったと知りショック。デヴィッド・ボウイもジョージ・ハリスンもジョン・レノンもみんな天国へ行ってしまったけど、でもいつも心の中に彼らが生きていて、私に力を与えてくれている。感謝!
- THE BEATLES
- MEET THE BEATLES
- 幼い頃、音楽好きな一回り年上の叔父と叔母と神奈川県藤沢で大家族で暮らしていた。小学校から帰るといつも家に音楽が流れていて、そして叔父がいない時には、いつもこのレコードがリビングの棚に飾られていた。その後、京都に引っ越した70年代の中学生の頃。ビートルズ、デビュー10周年で京都の街はビートルズ一色。次から次へとラジオで流れる曲が、聴いたことのある曲ばっかりだったので驚いた。その時初めて小さい頃、家に流れていたのがビートルズだと知る。今では若くして亡くなった大切な叔父の形見となった。
- David Bowie
- ALADDIN SANE
- 生まれて初めて買ったアルバム。中学校1年生の時。今から思えば、私にとっては彗星のごとく目の前に現れたと言う感じで、ルックスといい音楽といい大衝撃で強烈に大好きになってしまったデヴィッド・ボウイ。でも、まだ幼くてお小遣いも少なくて、同級生の女の子のお兄さんが「アルバムに傷が入ってしまったので1600円で売りたい」ということで譲ってもらった。その子の家の門の前で、お兄さんにお金を払ったことが忘れられない思い出。このアルバムを抱きしめたときの感動!とにかく聴きまくった。ミック・ロンソンのあのレスポール特有の甲高くポップなギタープレイも大好きだったし、マイク・ガーソンのピアノプレイにはしびれた。このアルバムではないけど「1984」「スターマン」本当にいい曲。私にとってデヴィッド・ボウイの影響はアイドルとしてだけでなく音楽の面でも絶大だ。
- T.Rex
- The Slider
- ラズベリーズと並んでリアルタイムで大好きになったバンドT. Rex。ほぼイントロ4小節でノックアウト!どんな人か知りたくて、本屋さんでミュージック・ライフを開いたら、そのルックスにまた仰天!怖い中にも、どこか可愛らしさが潜んでいるマーク・ボランのルックス!でも、まだレコードを買うのは13歳の女の子にはちょっと怖い! 声もなんだか呪われそうで不気味!(笑)でも、何より曲がいい!そんなことを思いながら、河原町に行ったときのこと、十字屋の入り口のガラスに150円の張り紙で貼り付けたあったT. Rexの「メタル・グルー」を発見!迷うことなく購入した。そしてさらに大好きになって16歳位にアルバム『ザ・スライダー』を買った。彼がロンドンでミニクーパーに乗って事故で亡くなったニュース。10代の私にはかなりショックな出来事だった。「メタル・グルー」のイントロ。グランド・ファンク・レイルロードの「アメリカン・バンド」のイントロ。ラズベリーズの「明日へ生きよう!」のイントロはデビューしてから担当したオールナイトニッポンの番組冒頭のジングルとして毎週流れた。だから、今でもイントロが流れると無意識に「白井貴子のオールナイトニッポン!」と言ってしまう(笑)
- サディスティック・ミカ・バンド
- 黒船
- サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』は 私が中学3年の頃、「タイムマシンにおねがい」が大ヒット!ずっぷり洋楽にかぶれていた私だったけど、この曲だけはほんとに大好きだった。そして円山音楽堂でキャロルとサディスティック・ミカ・バンドのライブがあると聞いて、すっ飛んで行った。イヤ!両バンドともそれはそれはかっこよかった。キャロルの時にはいきなり乱闘騒ぎ!さすがに乙女の私は驚いた!(笑) 昨年テレビの番組で山下久美子さんと相川七瀬さんと一緒にライブをやる機会があり、最後に3人で「タイムマシンにおねがい」を歌った。私としては、まさか自分がこの曲を歌う日が来るなんて!とめちゃくちゃ嬉しかった。その後、相川七瀬さんはこの曲をニュー・アルバム『ROCK MONSTER』でカバー!私も合いの手で歌わせてもらった。既にこれまでたくさんの方がカバーされている「タイムマシンにおねがい」だけど、私も1度しかない人生を思うと、自分でも歌ってみたいなぁ〜なんて最近思ったり。もしかしたら白井貴子バージョンの「タイムマシンにおねがい」がお目見えする日が来るかもしれない。そして私のティーネージャーの頃の七不思議。ライブまで行ったのに、なぜかLP持ってない!(笑)なので日本人のロック名盤として『黒船』を選びたいと思う。そして私もTechnics cafe' KYOTOへ聴きに行きたい!もしかしたらあなたの横に私がいるかもしれません!(笑)今回は私の京都での青春時代のお話にお付き合いいただきありがとうございます!「いや〜!京都の街で「タイムマシンにおねがい」が流れるんだ!と思うと、それだけでワクワク。高校が東山七条の京女だったので、よく帰り道に河原町の「磔磔」に行き長時間何枚もLPを聴いたティーンネイジの頃が鮮やかに蘇る。音楽はまさに心のタイムマシン!
- George Harrison
- The Concert For Bangladesh
- このアルバムジャケットは、当時の私にとっては、ものすごいショックだった。『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』の映画で、あまりにも可愛くて大好きになったジョージ・ハリスンがすっかり大人になり、ひげを生やして飢餓で苦しむ人々を助けるためにチャリティーコンサートを開催?!「ジョージ、すごい!」と思って大阪まで映画を観に行った。横にはエリック・クラプトン。ドラムはリンゴ・スター!それだけでワクワク。後ろを向いたときのジョージの真っ白なスーツがフレアになっているのが素敵!ライブも素晴らしかった。シタール奏者のラヴィ・シャンカールさんも素晴らしくて、初めて民族楽器の素晴らしさも教えてくれたジョージ。大人へと成長していく様を見せてくれて、大きな影響を受けた。そしてどうしても買いたくなった3枚組のアルバム。当時14歳の私には高嶺の花。何度も何度もレコード屋さんに行っては「やっぱり無理」と思い、何度箱へとしまったことだろう。それでもやはりお年玉を貯めてGET!この時の思いは、私の曲で「蒼い影」という曲にもなったほどだ。
- Randy Crawford
- Everything Must Change
- 今回、白井貴子ロック少女の産みの街、京都ということで1970年代に聴いたアルバムを選ばせていただいた。私も女子の端くれとして、1枚位女性のアルバムを選ばなくては!と悩んだ。ビートルズが好きで、少しでもビートルズに近づきたい!と1974年福島県の郡山で開催の日本最大のロックフェスとも言われた「ワン・ステップ・フェスティバル」にヨーコ・オノさんが来ると聞き、フェスを見に行った私だったので、ジョン・レノン&ヨーコ・オノ「ダブルファンタジー」にしようかな?とも思ったけど、私が70年代歌い込んだ、例えばバーブラ・ストライサンド「追憶」や当時ディスコ・ブームだったこともあり、ディオンヌ・ワーウィックやダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイの「You Are Everything」も大好きで歌って楽しんだので、そんな中の女性のアルバムを選んだ。その人はランディ・クロフォード。アルバム「Everything Must Change」。宇宙の中へと溶け込んでいくような歌い出しは感動的!アルバムは名曲ぞろいで、ビートルズの「Don’t Let Me Down」もカバーされている。「I've Never Been to Me」も素晴らしい楽曲。
- Premiata Forneria Marconi(PFM)
- 幻の映像Photos of Ghosts
- 中学校.高校と70年代の音楽溢れる京都で暮らした事は、私にとって大きな宝物。イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドが大好きになったのもこの頃だ。「プレミアータ・フォルネリーア・マルコーニ」。オマセで背伸びしていた当時、ティーンネイジだった私。しっかり勉強すればいいのに、その前にこんなバンドの名前を何回も何回も言って習得した(笑)ヨーロッパは、The BeatlesもTHE WHOもボトム、根底にクラシックがある事はとてもうらやましく、大きなことだと思う。それは時には強靭な基礎であり、反対にその重厚な歴史を変えるために生まれる時代への反骨心がロック・ミュージックの生みの親、踏み台にもなったのだと思う。日本人は何をルーツにしたらいいのだろう?と80年代私はひどく悩んだ。あまりにも当時の音楽が歌謡曲だったから。だからロンドンに行ってみようと思ったのだけど、今では日本の童謡から海外のロック・ミュージックやクラシック・ミュージック、すべての影響が自分の土台になっていることが白井貴子なんだ!と素直に思える場所に来れたのはとても幸せ。10代の頃はピアノのレッスンが嫌で嫌で、いつも逃げていた私だけど、もうちょっとちゃんとクラシックやろう!音楽大学に行こう!と彼らのアルバムを聴いて思ったことは忘れない。