Technics café KYOTO

Playlist

2024/10/1~2024/11/30グランドテーマ:MIX
(音楽カルチャー、音楽ジャンル、
アーティストなどを有機的にMIX)

白井 貴子(ミュージシャン)

Profile

1959年湘南生まれ。中学で京都へ移住。京都女子高校卒。フェリス女学院音楽科卒。1981年デビュー。1984年「Chance!」のヒットを機に「渋谷ライブイン10DAYS」「西武球場ライブ」を成功させ「ロックの女王」と呼ばれる。1988年から2年間、ロンドンへ移住。帰国後、子供達の歌を多数発表。2016年、作詞家で精神科医の北山修氏の歌を歌い継ぐアルバム『涙河』発表。2023年難病の母の介護の日々を綴った著書『ありがとうMama』を初出版。楽曲「Mama」とMVも同時配信。1985年に発売されたアナログ版『FLOWER POWER』復刻リリース。2024年11月1日(金)白井貴子&The CRAZY BOYS「クールジャパンパーク大阪WWホール」にてライブ開催決定!神奈川県環境大使・環境省3R推進マイスター・2027年横浜で開催の「GREEN EXPO」応援団長に就任。

Morning Time Playlist
  • オリジナル・サウンドトラック
    小さな恋のメロディ
    「In the Morning」!映画もアルバムもこの曲から始まる。'88年〜'90年。ロンドンに住んでいた2年間は朝になると、いつもこのアルバムの映画の風景を思い出した。希望に満ちた1日がやってくる気持ちをかき立ててくれる名曲。ビージーズの清々しく美しい楽曲「メロディ・フェア」が流れるシーン。主人公メロディーがカーニバルで金魚を買って歩く場面はとてもキュート!初めてロンドンにライブとアルバムジャケットの撮影に行った86年、音楽ライターの伊藤博伸さんが同行してくれていて、このアルバムの話になり、伊藤さんもこのアルバムを大好きで「メロディーが歩いた道を調べた!」と聞きビックリ!彼女が水槽に金魚を放すシーンのその水槽に道の名前が書いてあって、それを書き取ったと言うのだ!早速その道、ランベスロードへ行ったのは素敵な思い出。保守的な中にも妙な粗雑さ溢れるロンドンの人々の日常がよくわかる美しく楽しいシーンのバックに流れるこのアルバムはロックからフォーク、クラシックまで網羅されている素晴らしいアルバムだ。まだ家にターンテーブルがなく、仕方なく父が英語の勉強するのに買ったテープレコーダーで何度も聴いた、生まれて初めて購入した「小さな恋のメロディー」のカセットテープ。後にLPとDVDも購入。
  • Grand Funk Railroad
    WE'RE AN AMERICAN BAND
    「さぁ!今日も1日がんばろう!」って時にいいかもしれない。10代の頃は一瞬聴いただけでこの曲が大好きになり、アルバムを買いに走った。買ってびっくり。ジャケットを開いたら、真っ裸の男子が馬小屋に!ボーカルのマーク・ファーナーがハンサム!また歌が上手! あれから50年!久しぶりにゆっくりアルバムを聴いた。かなりブラック・ミュージックの影響が強かったんだな〜と。ティーネージャーの頃は、そんなこと考える頭がなかったけど、よくここまでアメリカン・ロックへと昇華させたものだ!と今頃、関心。それもそのはず「ロコモーション」もリリースした彼等だもん。そう思ってやけに納得した。
  • The Raspberries
    Fresh Raspberries
    10代の頃、リアルタイムにデビューしたバンドとして大好きになったのがラズベリーズ。「貴子の曲は元気が出る!」とよく言っていただくが、彼らのヒットシングル「明日を生きよう」と言う邦題は10代の私に前向きで、ストレートなロック魂を与えてくれた。デビューしてからよく「レモンの香りのするロックミュージックを作りたい」と言ってきたけれど、そのイメージの源はきっとラズベリーズ!当時ボーカルのエリック・カルメンは、ポール・マッカートニーの再来!と言われ注目を浴びた。ほんとに私もそうだと思った。あと、彼のアルバム『All by Myself』も大好きだった。今年彼が亡くなったと知りショック。デヴィッド・ボウイもジョージ・ハリスンもジョン・レノンもみんな天国へ行ってしまったけど、でもいつも心の中に彼らが生きていて、私に力を与えてくれている。感謝!
Day Time Playlist
  • THE BEATLES
    MEET THE BEATLES
    幼い頃、音楽好きな一回り年上の叔父と叔母と神奈川県藤沢で大家族で暮らしていた。小学校から帰るといつも家に音楽が流れていて、そして叔父がいない時には、いつもこのレコードがリビングの棚に飾られていた。その後、京都に引っ越した70年代の中学生の頃。ビートルズ、デビュー10周年で京都の街はビートルズ一色。次から次へとラジオで流れる曲が、聴いたことのある曲ばっかりだったので驚いた。その時初めて小さい頃、家に流れていたのがビートルズだと知る。今では若くして亡くなった大切な叔父の形見となった。
  • David Bowie
    ALADDIN SANE
    生まれて初めて買ったアルバム。中学校1年生の時。今から思えば、私にとっては彗星のごとく目の前に現れたと言う感じで、ルックスといい音楽といい大衝撃で強烈に大好きになってしまったデヴィッド・ボウイ。でも、まだ幼くてお小遣いも少なくて、同級生の女の子のお兄さんが「アルバムに傷が入ってしまったので1600円で売りたい」ということで譲ってもらった。その子の家の門の前で、お兄さんにお金を払ったことが忘れられない思い出。このアルバムを抱きしめたときの感動!とにかく聴きまくった。ミック・ロンソンのあのレスポール特有の甲高くポップなギタープレイも大好きだったし、マイク・ガーソンのピアノプレイにはしびれた。このアルバムではないけど「1984」「スターマン」本当にいい曲。私にとってデヴィッド・ボウイの影響はアイドルとしてだけでなく音楽の面でも絶大だ。
  • T.Rex
    The Slider
    ラズベリーズと並んでリアルタイムで大好きになったバンドT. Rex。ほぼイントロ4小節でノックアウト!どんな人か知りたくて、本屋さんでミュージック・ライフを開いたら、そのルックスにまた仰天!怖い中にも、どこか可愛らしさが潜んでいるマーク・ボランのルックス!でも、まだレコードを買うのは13歳の女の子にはちょっと怖い! 声もなんだか呪われそうで不気味!(笑)でも、何より曲がいい!そんなことを思いながら、河原町に行ったときのこと、十字屋の入り口のガラスに150円の張り紙で貼り付けたあったT. Rexの「メタル・グルー」を発見!迷うことなく購入した。そしてさらに大好きになって16歳位にアルバム『ザ・スライダー』を買った。彼がロンドンでミニクーパーに乗って事故で亡くなったニュース。10代の私にはかなりショックな出来事だった。「メタル・グルー」のイントロ。グランド・ファンク・レイルロードの「アメリカン・バンド」のイントロ。ラズベリーズの「明日へ生きよう!」のイントロはデビューしてから担当したオールナイトニッポンの番組冒頭のジングルとして毎週流れた。だから、今でもイントロが流れると無意識に「白井貴子のオールナイトニッポン!」と言ってしまう(笑)
  • サディスティック・ミカ・バンド
    黒船
    サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』は 私が中学3年の頃、「タイムマシンにおねがい」が大ヒット!ずっぷり洋楽にかぶれていた私だったけど、この曲だけはほんとに大好きだった。そして円山音楽堂でキャロルとサディスティック・ミカ・バンドのライブがあると聞いて、すっ飛んで行った。イヤ!両バンドともそれはそれはかっこよかった。キャロルの時にはいきなり乱闘騒ぎ!さすがに乙女の私は驚いた!(笑) 昨年テレビの番組で山下久美子さんと相川七瀬さんと一緒にライブをやる機会があり、最後に3人で「タイムマシンにおねがい」を歌った。私としては、まさか自分がこの曲を歌う日が来るなんて!とめちゃくちゃ嬉しかった。その後、相川七瀬さんはこの曲をニュー・アルバム『ROCK MONSTER』でカバー!私も合いの手で歌わせてもらった。既にこれまでたくさんの方がカバーされている「タイムマシンにおねがい」だけど、私も1度しかない人生を思うと、自分でも歌ってみたいなぁ〜なんて最近思ったり。もしかしたら白井貴子バージョンの「タイムマシンにおねがい」がお目見えする日が来るかもしれない。そして私のティーネージャーの頃の七不思議。ライブまで行ったのに、なぜかLP持ってない!(笑)なので日本人のロック名盤として『黒船』を選びたいと思う。そして私もTechnics cafe' KYOTOへ聴きに行きたい!もしかしたらあなたの横に私がいるかもしれません!(笑)今回は私の京都での青春時代のお話にお付き合いいただきありがとうございます!「いや〜!京都の街で「タイムマシンにおねがい」が流れるんだ!と思うと、それだけでワクワク。高校が東山七条の京女だったので、よく帰り道に河原町の「磔磔」に行き長時間何枚もLPを聴いたティーンネイジの頃が鮮やかに蘇る。音楽はまさに心のタイムマシン!
Night Time Playlist
  • George Harrison
    The Concert For Bangladesh
    このアルバムジャケットは、当時の私にとっては、ものすごいショックだった。『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』の映画で、あまりにも可愛くて大好きになったジョージ・ハリスンがすっかり大人になり、ひげを生やして飢餓で苦しむ人々を助けるためにチャリティーコンサートを開催?!「ジョージ、すごい!」と思って大阪まで映画を観に行った。横にはエリック・クラプトン。ドラムはリンゴ・スター!それだけでワクワク。後ろを向いたときのジョージの真っ白なスーツがフレアになっているのが素敵!ライブも素晴らしかった。シタール奏者のラヴィ・シャンカールさんも素晴らしくて、初めて民族楽器の素晴らしさも教えてくれたジョージ。大人へと成長していく様を見せてくれて、大きな影響を受けた。そしてどうしても買いたくなった3枚組のアルバム。当時14歳の私には高嶺の花。何度も何度もレコード屋さんに行っては「やっぱり無理」と思い、何度箱へとしまったことだろう。それでもやはりお年玉を貯めてGET!この時の思いは、私の曲で「蒼い影」という曲にもなったほどだ。
  • Randy Crawford
    Everything Must Change
    今回、白井貴子ロック少女の産みの街、京都ということで1970年代に聴いたアルバムを選ばせていただいた。私も女子の端くれとして、1枚位女性のアルバムを選ばなくては!と悩んだ。ビートルズが好きで、少しでもビートルズに近づきたい!と1974年福島県の郡山で開催の日本最大のロックフェスとも言われた「ワン・ステップ・フェスティバル」にヨーコ・オノさんが来ると聞き、フェスを見に行った私だったので、ジョン・レノン&ヨーコ・オノ「ダブルファンタジー」にしようかな?とも思ったけど、私が70年代歌い込んだ、例えばバーブラ・ストライサンド「追憶」や当時ディスコ・ブームだったこともあり、ディオンヌ・ワーウィックやダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイの「You Are Everything」も大好きで歌って楽しんだので、そんな中の女性のアルバムを選んだ。その人はランディ・クロフォード。アルバム「Everything Must Change」。宇宙の中へと溶け込んでいくような歌い出しは感動的!アルバムは名曲ぞろいで、ビートルズの「Don’t Let Me Down」もカバーされている。「I've Never Been to Me」も素晴らしい楽曲。
  • Premiata Forneria Marconi(PFM)
    幻の映像Photos of Ghosts
    中学校.高校と70年代の音楽溢れる京都で暮らした事は、私にとって大きな宝物。イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドが大好きになったのもこの頃だ。「プレミアータ・フォルネリーア・マルコーニ」。オマセで背伸びしていた当時、ティーンネイジだった私。しっかり勉強すればいいのに、その前にこんなバンドの名前を何回も何回も言って習得した(笑)ヨーロッパは、The BeatlesもTHE WHOもボトム、根底にクラシックがある事はとてもうらやましく、大きなことだと思う。それは時には強靭な基礎であり、反対にその重厚な歴史を変えるために生まれる時代への反骨心がロック・ミュージックの生みの親、踏み台にもなったのだと思う。日本人は何をルーツにしたらいいのだろう?と80年代私はひどく悩んだ。あまりにも当時の音楽が歌謡曲だったから。だからロンドンに行ってみようと思ったのだけど、今では日本の童謡から海外のロック・ミュージックやクラシック・ミュージック、すべての影響が自分の土台になっていることが白井貴子なんだ!と素直に思える場所に来れたのはとても幸せ。10代の頃はピアノのレッスンが嫌で嫌で、いつも逃げていた私だけど、もうちょっとちゃんとクラシックやろう!音楽大学に行こう!と彼らのアルバムを聴いて思ったことは忘れない。

尾田 和実(「ギズモード・ジャパン」編集長)

Profile

日本最大のガジェット&テクノロジーサイト「ギズモード・ジャパン」編集長。MTV JAPAN、アベマTVなどの制作にも関わる。世界各国のサンプラー&グルーブマシーン蒐集家。最近はApple Vison ProによるDJ活動も開始。

Morning Time Playlist
  • Sam Gendel & Sam Wilkes
    Music For Saxofone & Bass Guitar
    サックス奏者とベーシストによる瞑想的なサウンドスケープ。リード楽器、ベース、ドラムといったベーシックな編成ではないからこその一本筋の通ったグルーブも感じ取れる。ルイス・コール周辺のアーティストらしくプロデューサー、マルチインストルメンタリストでありつつも、管楽器、弦楽器を極めたダブル・サムのインプロビゼーションは、まるで「バガボンド」の宮本武蔵と佐々木小次郎。静けさの中に閃光の一撃をくらわす緊張感が全編に漂う。
  • Harmonia & Eno
    Tracks and Traces
    クラウトロックの名バンド、ハルモニアとブライアン・イーノの共演によるこのアルバムは、電子音楽とアンビエントの境界を極限まで追求した怪作。1970年代の実験的な音楽制作のエッセンスがたっぷり詰め込まれたサウンドだが、その一方で現代のものかと見まごうジャケット写真からはドイツ出身の工業デザイナー、ディータ・ラムスらの機能主義を彷彿とさせる。
Day Time Playlist
  • Holger Czukay
    Moves
    同じくクラウトロックを代表するカンのベーシストであるホルガー・チューカイによるソロアルバムは、サンプリングがまだ確立されていなかった時代に、テープループと国籍不明の短波放送を駆使したコラージュ的な作風で80年代PARCO的な空気感を決定づけた。アーティストのイメージ的にアバンギャルドな作風をイメージする人も多いかもしれないが、本作は「ひどくポップ」。サントリーのCM音楽に起用されて一世を風靡していたりもする。
  • Sault
    Untitled (Rise)
    UKの覆面プロデューサーユニット、Saultの“RIZE”と称された2枚組アルバム(ジャケットにはタイトル表記なし)は、「Black Lives Matter」をテーマに発表された「Untitled (Black Is)」に続く問題作。ファンク、ソウル、アフロビートにUKオルタナ的な「歪み」が絶妙にブレンドされたサウンドは、一連のSaultのアルバムの中でも特に力強く、一気に駆け抜けるような15曲を堪能できる。
  • NxWorries
    Why Lawd
    アンダーソン・パークとナレッジのデュオ、NxWorriesによる「Why Lawd」は、ヒップホップとR&Bを融合させた温かみのあるサウンドに、ソウルフルなヴォーカルとスムーズなラップが乗る「ごきげん」な一枚。R&B、ディスコ、モータウン、インディ/スペース・エイジ・ポップからヒップホップまでをマークアップする名門「Stones Throw」(グッズ集めてます!)を代表する1作となりそう。
  • Pachyman
    Switched-on
    最初聴いた時は、The UpsettersかScientistかというような、本場ジャマイカで発見されたダブの未発掘アーティストかと思いきや、なんとプエルトルコ出身の多重録音アーティストの作品。でもyoutubeやインスタの映像とセットでみればPachymanのマルチカルチュラルな世界観はしっかりと感じとれる。「レゲエはカリブ海の音楽というだけでなく、世界中のさまざまなアーティストと共鳴できる、未来的な音楽というイデオロギー」という彼の発言からは、かのフィッシュマンズにも共通する哲学を感じたりもしています。
  • JACKIE MITTOO
    Keyboard King at Studio One
    こちらは正真正銘ジャマイカのレゲエ・シーンのレジェンド、ジャッキー・ミットゥ。スカタライツのメンバーとして活躍した彼のオルガンプレイは、本場ジャマイカのみならず、UKや日本のルードボーイたちにも多大な影響を与えました。このベストアルバムは、彼の鍵盤プレイが光るインストに加えてカバー曲「サマーブリーズ」に大注目。ジャケットそのままの、灼熱の太陽の下、やるせなさにみちたスーツ男の嘆き。その余韻が最強、最高。
Night Time Playlist
  • Thelonious Monk
    Solo Monk
    セレニアス・モンクの作品はどれも好きなんですけど、聴きやすさも考慮してこのソロ・ピアノ作品をチョイスしました。代名詞ともいえる癖のあるボイシング、独特なリズムの間合いみたいなものが、それほど過度でなく、それでいてしっかりとカバー曲を含めて、「モンク節」として感じられるバランスのいい作品。あんまりいい例えではないかもしれないですが、ビートルズでいったら「リボルバー」みたいなアルバム。ポール・デイヴィスが手がけたジャケット、1曲目タイトルの「ダイナー」とか、アメリカーナ的なセンスも大好き。
  • JULIAN LAGE
    Love Hurts
    新作を発表するたびに、全ギタリストの脳天を打ちまくるジュリアン・ラージ初のセルフ・プロデュース作品。ベーシックなジャズのオーネット・コールマン、キース・ジャレットからはては、アメリカーナ文脈のロイ・オービソン、そしてエヴァリー・ブラザーズまで、歌心のあるギタープレイが詰まってます。ほんとなんてことないペンタトニックのフレーズも、微妙な歪みやアンサンブル、音響特性も考えてプレイしているのが伝わってきて、さりげないのに聞かせる。マッチ代だけで撮影できそうなジャケット写真(褒めてます)と相まって、秋の京都でじっくり聴きたいと思った作品。
  • FELT
    THE SPLENDOUR OF FEAR
    1980年代のUKインディーロックの象徴的なバンド、FELT。チェリーレッドレーベルに所属する他のネアアコ、インディーサイケロックとは一線を画したインスト曲中心のセカンドアルバム。当時はヴォーカルのローレンスの美少年ぶりが際立つファーストアルバムのジャケットから一転、トラウマになりそうなぐらい気持ち悪いアートワークに驚愕したものですが、あとになってウォーホールの映画「チェルシーガール」の転用と知りました。奇妙さと儚さが同郷するサウンドに今はベストマッチングと感じます。

Nina Yamada(DJ)

Profile

父親の影響でDJを始め、2022年からロンドンに移住。日本を拠点とした音楽レーベル「Jazzy Sport」の初海外拠点として「Jazzy Sport London」を創立し、ロンドンを中心にフランスやスペイン、ドイツ、オランダ、ポルトガルなどヨーロッパ各地でプレイを重ねてる。ディープ・ハウスを得意としながらも、アフロ・ビート、ジャズ、ラテン、レゲエなど様々なジャンルをクロスオーバーするプレイを特徴としている。Youtubeチャンネル「My Analog Journal」でのミックスは40万回以上の再生を生み、話題を呼んでいる。

Morning Time Playlist
  • Tara Clerkin Trio
    On The Turning Ground
    昨年、ロンドンのレコードショップ兼レーベル「World Of Echo」から、ブリストル拠点のジャズフォークグループ「Tara Clerkin Trio」が、2年ぶりとなるEPをリリース。 Tara Clerkin Trioは、ブリストル特有のダウンビート要素をベースに、アコースティックギター、パーカッション、ダブエコー、シンセを組み合わせた、レフトフィールドなサウンドが特徴。90年代のクラシックなブレイクビーツと、バレアリックな雰囲気が感じられる「The Turning Ground」にぜひ注目してください。
  • Mo Kolours
    Original Flow
    東アフリカ・モーリシャスをルーツに持つアーティスト、Deenmamode a.k.a Mo Kolours。このアルバムでは、誰も体験したことのない新しいループに挑戦するため、ダブと電子ジャズ、ブロークン・ビートとキューバの民族音楽を見事に融合させ、さらに哲学的なテーマを織り交ぜた、複雑な音楽を見事に表現しています。現在は日本に移住し、日本での生活が彼の感性を研ぎ澄ませた結果、日本の澄んだ空気とアフリカの大地が融合したような独特の雰囲気が生まれています。特に「Kochirakoso」では、日本語で歌う彼のキュートな一面も聴きどころです。
Day Time Playlist
  • Mauskovic Dance Band
    The Mauskovic Dance Band
    アムステルダムを拠点に活動するプロデューサー、ニコラ・マウスコビッチが率いる5人組バンド「The Mauskovic Dance Band」によるデビューアルバム。彼らは、1970〜80年代のコロンビアやペルーのアフロ・ラテン音楽の遺産を、現代アムステルダムの視点で解釈し、完全にセルフプロデュースした音楽を作り上げています。馴染み深いラテンのリズムに現代の新しい要素を加えたサウンドは、まさに「ラテン・ディスコ・バンドの現代版」。No-waveやダンスパンク、アフロカリビアンリズム、スペースディスコなど、さまざまな要素を融合させたレトロなサウンドをぜひお楽しみください。
  • Mildlife
    Chorus
    オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するサイケデリック・ジャズ・フュージョンバンド「Mildlife」のサードアルバム。Mildlifeは、スペーシーなエレクトロニクスとソウルフルなアコースティック楽器を見事に融合させ、ジャズ、ファンク、ディスコを自在に行き来する音楽を特徴としています。アルバムに収録されている「Yourself」は、シンプルなベースラインとドラムに、ヴォーカルを引き立てるジャジーなコードが加わった構成で、ミニマルなサイケデリックサウンドに注目です。
  • Nat Birchall
    Upright living
    UKのジャズサックスプレイヤーとして名高いNat Birchallと、ドラマー・パーカッショニストのAl Breadwinnerによるセカンドアルバム。ナットはテナーサックス、ソプラノサックス、ベース、メロディカ、オルガン、ピアノ、パーカッション、ハンドドラムを担当し、アルはドラム、ギター、オルガン、ピアノ、パーカッション、ハンドドラムを担当。70年代のダブスタイルにジャズの要素を加えたモードで、両者は幅広い楽器を駆使して演奏しています。リー・スクラッチ・ペリーを彷彿とさせる、神秘的な雰囲気が漂うアルバムです。
Night Time Playlist
  • Amara Toure
    Amara Toure 1973-1980
    アフロキューバ音楽のパイオニア、パーカッショニスト兼シンガーのAmara Touréの代表曲10選を収録したコンピレーション。西アフリカとカリブの文化と音楽が融合した50年代の影響を受け、ギニアで音楽活動を始めた彼は、セネガルの「Le Star Band de Dakar」に参加し、その後カメルーンで「Ensemble Black and White」を結成、さらに「L’Orchestre Massako」でも活躍しました。30年のキャリアの中で、彼がレコーディングに費やしたのはわずか7年。その間に生まれた10曲がこのコンピレーションに収められています。消息不明となった彼のミステリアスで深みのある声、サイケデリックなドラムとリズムが織りなす、スモーキーでダンサブルな洗練されたサウンドをぜひお楽しみください。
  • Kirk Lightsey and Rudolph Johnson
    Habiba
    ​​1974年に南アフリカのGalloからリリースされたこの作品は、ピアニストのカーク・ライトシーとサックス奏者のルドルフ・ジョンソン(Black Jazz所属)が、歌手ラヴレイス・ワトキンスの南アフリカ・ツアー中の合間を縫って演奏したセット。コルトレーン以降のスピリチュアルなモダンジャズを存分に楽しめるこの作品『Habiba』は、南アフリカ以外では手に入らなかった非常に貴重なジャズアルバムで、忘れ去られた時代の名作として評価されています。
  • Asha Puthli
    The Essential Asha Puthli
    イギリス・ブライトンを拠点とするレコードレーベル、Mr.Bongoから、ジャズとインド古典音楽の融合を見出したインド人シンガー、Asha Puthliのコンピレーションアルバム『The Essential Asha Puthli』がリリース。このアルバムは、彼女のスピリットを捉え、初期のカバー曲から、ディスコナンバー『I'm Gonna Dance』や『Music Machine』、そしてジャズ・ヴォーカリゼーションまで、Asha Puthliの幅広い音楽性を示しています。特に、唯一のヒンディー語曲『Chipko Chipko』で披露されるヴォーカル・テクニックにご注目ください。
  • Various
    Space Echo - The Mystery Behind the Cosmic Sound of Cabo Verde Finally Revealed! (Analog Africa Nr. 20)
    Analog Africaからリリースされた、Cabo Verdeのダンスグルーヴを集めたコンピレーションアルバム。Cabo Verdeでは、シンセサイザーの導入により、モーナスやコラデラス、そして1975年までポルトガルの植民地支配者によって禁止されていた「フナナ」など、地元のリズムが現代的に進化しました。このコンピレーションは、1970年代後半から80年代前半の重要な音楽の時代を捉えたもので、収録されている15曲のうち8曲は、Paulino Vieira率いるバンド「Voz de Cabo Verde」が録音。1968年に起きた謎の事件から始まったカーボベルデの音楽、その背景にもぜひ注目してみてください。
  • Irreversible Entanglements
    Open The Gates
    フィラデルフィアを拠点とするフリージャズ集団、IRREVERSIBLE ENTANGLEMENTSの3作目となるアルバム。Irreversible Entanglementsは2015年、Musicians Against Police Brutalityのコンサートをきっかけに結成。彼らの目的は、ムーア・マザーの言葉を「黒人解放の手段」としてのフリー・ジャズの即興演奏と結びつけることで、アフロフューチャー主義的な音楽には、パンク・スピリット、アンビエントな空間とエレクトロニクスへの愛が込められています。フリー・ジャズの音色とスポークン・ワードのフレーズが、ハーモニーの不協和音で補強された、見事なまでにソウルフルな作品です。「Open the gate」の何層にも重なるドラムと、グルービーなベースライン、力強いリリックにご注目ください。

SECOND ROYAL RECORDS(Record Shop)

Profile

京都を拠点に活動するインディーズレーベルSECOND ROYAL RECORDSが運営するレコードショップ。国内・海外の新譜・中古レコード / カセット / CD / アーティストグッズなど様々なアイテムを取り扱っています。

〒602-8341 京都府京都市上京区三軒町48-11

Morning Time Playlist
  • Pictured Resort
    Overdreamt
    大阪のシンセ・ポップ・ユニットPictured Resort、約2年ぶりとなる4枚目のフル・アルバム。活動開始から10年、進化を続けるPictured Resortの"今"が詰まったバラエティ豊かな全12曲を収録した一枚。
  • Ålborg
    The Way I See You
    心地良く日常に馴染むメロディとボーカルの歌声で各地で沸々と話題のÅlborg(オールボー)、待望の1stアルバム。1stアルバムならではのバンドが持つ魅力とアイデアが溢れんばかりに詰まった1枚。
Day Time Playlist
  • Delays
    Faded Seaside Glamour
    ラーズとマニック・ストリート・プリーチャーズの遺伝子を受け継いだエモーショナルなネオアコ・サウンドで人気を博したサウサンプトン出身の4人組バンドの2004 年傑作1stアルバムが初アナログ化。
  • KIRINJI
    Steppin' Out
    2021年より堀込高樹のソロ・プロジェクトとして活動中のKIRINJI、通算16枚目のオリジナル・アルバム。これまで以上にポジティブなワードが散りばめられた歌詞の世界観と生楽器を随所に取り入れたサウンドが印象的な1枚。
  • 家主
    石のような自由
    前作からおよそ2年振りとなる3rdフルアルバム。60年代から受け継がれてきた愛すべきロックとポップスを真正面から受け止め、新たな解釈と文法でもって完成させた優しくも力強い楽曲の数々。
  • 長谷川白紙
    エアにに
    長谷川白紙の1stフルアルバムが〈Brainfeeder〉より待望の初LP化。前作の衝撃的サウンドはそのままに、更に拡大し続ける"長谷川白紙"という唯一無二の音楽を魅せる記念碑的傑作。
  • Mura Masa
    Demon Time
    UK出身26歳のプロデューサー、ムラ・マサによる2年半ぶりのニュー・アルバム。「世界の厳しい現実を乗り越え、世の中が自分の楽しみを取り戻そうとしている今、音楽は必要である」という思いが込められている。
Night Time Playlist
  • tofubeats
    NOBODY
    HOUSE MUSIC をコンセプトに全曲のボーカルをAI 歌声合成ソフトで制作。無機質な中にも熱量をまとったフロアライクな作品。
  • Jai Paul
    Leak 04-13 (Bait Ones)
    UKのプロデューサーJai Paulのデビューアルバム。2013年に起こった音源流出によって長らく発売されていなかったが、2023年に初ヴァイナル化され3000枚が数分で完売、こちらは新たにリリースされたセカンド・エディション。
  • STR4TA
    STR4TASFEAR
    ジャイルス・ピーターソンとIncognitoのジャン・ポール・“ブルーイ”・モーニックからなるスーパー・プロジェクトによる2ndアルバム。リスナーを新しい音楽の世界へ導くブリット・ファンクサウンド。

立川 直樹(プロデューサー)

Message

音が放つ生命力に溢れる「Re discover Music」の空間に浸ることができる拠点ができたことが本当に喜ばしいし、100年以上にわたって録音され、残されてきた名曲や名演を、 "言葉ではその素晴らしさを形容するのは難しいと思っている最高の音響システム" で楽しめるというのは画期的な出来事だと言える。"レコード=Record"という言葉には"記憶"と"記録"という意味があるが、時空を超えた音楽の旅を心ゆくまで楽しんで欲しい。

Playlist
  • スティーヴ・キューン&ゲイリー・マクファーランド
    10月組曲
    映画「13」のためにゲイリー・マクファーランドが書き下ろした「ワン・アイ・クッド・ハヴ・ラヴド」から「オープン・ハイウェイ」まで全6曲。”ダウンビート”誌が「オーケストラ・ジャズに大きく貢献した人」と評した作曲家・編曲家、ヴィブラフォン奏者G・マクファーランドと名ピアニスト、S・キューンが共演して作られた美しくロマンティックな名盤。
  • ポール・サイモン
    時の流れに
    アート・ガーファンクルとのコンビで数々の名曲を残しているポール・サイモンの芸術完成作とも言える素晴らしいアルバム。S&Gとしてのヒット曲「マイ・リトル・タウン」も収録され、ポールが長年夢見てきた音楽の全てがこの1枚に結集されている。
  • オリジナル・サウンドトラック
    アラン・ドロンのチェイサー
    「太陽がいっぱい」や「山猫」「冒険者たち」など数々の名作に出演し、一世を風靡した人気俳優アラン・ドロンは8月に88歳で天国に旅立った。その出演作の音楽にもいいものが多いが、映画音楽界の巨匠フィリップ・サルドが曲を書き、カルロ・サビーナが指揮するロンドン・シンフォニー・オーケストラをバックにしたスタン・ゲッツのサックスが開けるこのサントラも超一級。映画音楽の魅力を楽しんで欲しい。
  • デヴィッド・ギルモア
    邂逅
    2015年の「飛翔」以来の年ぶりになる通算5作目の最新アルバム。人生に起こる様々な出来事を「単なる幸運や軌跡ではないことを祈ろう」と歌われるタイトル曲の「ラック・アンド・ストレンジ」をはじめとして静謐の中に深い感情が渦巻いている。知性と音楽の質の高さに脱帽させられた。
  • イヴ・モンタン
    オランピアのイヴ・モンタン
    俳優として歌手としても世界的人気を誇ったイヴ・モンタンが1968年の秋にパリのオランピア劇場で丸1か月開催したショーの実況録音盤。2枚のレコードに29曲が収録されているが、どれも名演。1950年にヒットし、戦後最大のシャンソンとなった「枯葉」は、やっぱりモンタンの歌で、秋に聞きたくなる名曲だ。
  • スティーリー・ダン
    丸1年の歳月をかけ、超一流のスタジオ・ミュージシャンを起用して、ドナルド・フェイケンとウォルター・ベッカーは完璧なロック芸術を創り上げた。発表されたのは1977年。それから50年近い時が流れて全く色あせない。これこそが音の錬金術。モデルの山口小夜子を起用したアルバム・ジャケットも発表当時、話題になった。
  • ジョー・コッカー
    ア・リトル・レイン
    本当に名盤と名演は歳をとらない。この夏公開されたニッキー・ホプキンスのドキュメンタリー「セッションマン」でニッキーが溜息が出るほど美しいピアノを弾いているジョー・コッカーの「ユー・アー・ソー・ビューティフル」の話で思い出し、改めて針を下ろしたこのアルバムはそれを証明する名盤。黄昏時にぴったりとフィットするだろう。
  • カーリー・サイモン
    トーチ
    ロック、ポップスの分野で数々の名作を発表してきたカーリー・サイモンが1930年から50年代のジャズ・ポップスのスタンダードをカバーした異色の傑作。タイトルの ”トーチ” ”トーチ・ソング” のトーチはセンチメンタルな片思いや失恋を意味している。聴くのは絶対に夜に限る。
  • リンダ・ロンシュタット
    フォー・センチメンタル・リーズンズ
    「星に願いを」から「ラウンド・ミッドナイト」まで全11曲。ロックからラテンまで何でも歌いこなせるリンダがフランク・シナトラやナット・キング・コールなどの名編曲家として知られるネルソン・リドルのオーケストラと組んで作った3部作として完成させた名盤。ネルソン・リドルが最後にアレンジしたアルバムでもある。
  • ジャンゴ・ラインハルト
    ジャンゴ
    伝記映画も作られている伝説のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトが名ヴァイオリン奏者ステファン・グラッペリーと組んで1934年に結成したフランス・ホット・クラブ五重奏団のサウンドには独特の何とも言えない香りがある。フランスの印象派を思わせてくれるのもかけがえのない魅力だ。

PlayList 10月スケジュール

  • 10月1日(火)
    白井 貴子
  • 10月2日(水)
    尾田 和実
  • 10月3日(木)
    NINA YAMADA
  • 10月4日(金)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月5日(土)
    立川 直樹
  • 10月6日(日)
    白井 貴子
  • 10月7日(月)
    尾田 和実
  • 10月8日(火)
    NINA YAMADA
  • 10月9日(水)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月10日(木)
    立川 直樹
  • 10月11日(金)
    白井 貴子
  • 10月12日(土)
    尾田 和実
  • 10月13日(日)
    NINA YAMADA
  • 10月14日(月)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月15日(火)
    立川 直樹
  • 10月16日(水)
    白井 貴子
  • 10月17日(木)
    尾田 和実
  • 10月18日(金)
    NINA YAMADA
  • 10月19日(土)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月20日(日)
    立川 直樹
  • 10月21日(月)
    白井 貴子
  • 10月22日(火)
    尾田 和実
  • 10月23日(水)
    NINA YAMADA
  • 10月24日(木)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月25日(金)
    立川 直樹
  • 10月26日(土)
    白井 貴子
  • 10月27日(日)
    尾田 和実
  • 10月28日(月)
    NINA YAMADA
  • 10月29日(火)
    SECOND ROYAL RECORDS
  • 10月30日(水)
    立川 直樹
  • 10月31日(木)
    白井 貴子

※イベント等により、スケジュールが予告無く変更する場合がございます。予めご了承ください。