Technics Chronicle

Technics Chronicle

1965年に発表されたスピーカーシステム「Technics 1」から始まったTechnicsブランド。ここではTechnicsの歴史を築いた伝説的なモデルと、その当時のHi-Fiオーディオ業界に大きな影響を与えた独自の技術をご紹介します。

1960’s

Technics 1(1965)
Technicsブランドの誕生

Technicsブランドの記念すべき第1号は、密閉型2ウェイユニットスピーカーシステム。コンパクトながら標準的なフロアスピーカーシステムに匹敵する低音が得られた。

60’s other models

Technics 10A(1966)

Technicsブランド初のステレオコントロールアンプ。増幅部を2段NF回路で構成し、低歪化と大きなダイナミックレンジを実現した。

Technics 20A(1966)

Technicsブランド初のパワーアンプ。出力段に5極管50HB26を20本使用。当時としては別格のOTL回路採用ハイパワーアンプ。

Technics 50A(1969)

Technicsの管球式アンプ開発技術を集大成したトランジスタプリメインアンプ。新採用のOCL方式は、後に各社トランジスタアンプの主流となった。

Early 1970’s

SP-10(1970)
世界初のダイレクトドライブ方式ターンテーブル

オーディオの新時代を築いた世界初のダイレクトドライブ方式ターンテーブル。従来のベルトドライブ方式に起因する振動や回転ムラを払拭し、放送局にも多く納入。以降の商品に大きな影響を与えた。

Technics 7(1975)
Technics独自のリニアフェイズ理論を証明

Technics独自のリニアフェイズ理論を確立したスピーカーシステム。その後、世界の多くのスピーカーに影響を与えた。

Early 70’s other models

SU-10000(1972)

当時最高峰を目指して設計されたコントロールアンプ。イコライザー段に3段作動増幅を初めて開発するなど、わが国の高級セパレートアンプの先駆的存在。

SE-10000(1972)

世界で初めて大容量定電圧電源を採用したパワーアンプ。正確なピーク値を直読できるパワーメーターもその後の標準となった。

ST-3500(1973)

波形伝送をテーマにあらゆる角度から研究開発を行い、音質を徹底的に追求。それまでのチューナーでは不可能と言われていた低位相歪みを、4極MOS FETバランスドミキサや低遅延群遅延フィルタで実現し、その後の業界ベンチマークとなった。

Late 1970’s

SE-A1 / SU-A2 (1977)
原音に忠実な再生への挑戦

Hi-Fiオーディオの目標である原音を忠実に再現するために、当時最先端の技術を駆使して開発。SE-A1のA+クラス動作や、SU-A2の全段Aクラス動作DCアンプ構成などの革新的な技術は、後のアンプに大きな影響を与えた。

SL-1200MK2 (1979)
ディスコ・クラブシーンで最初のスタンダード・ターンテーブル

ディスコ・クラブシーンにおける最初のスタンダード・ターンテーブル。初代SL-1200をベースに、よりDJプレイに特化して操作性を改善するとともに、新たに搭載されたクォーツロックで、より精密な回転制御が可能となった。SL-1200MK2の登場で、ターンテーブルはレコードを再生する「プレーヤー」からレコードを演奏する「楽器」へと進化した。

Late 70’s other models

RS-1500U(1976)

ダイレクトドライブモーターとアイソレーテッドループシステムによるU字型テープ・パスで、安定したテープ駆動を実現。この安定性で人気を獲得し、シリーズを拡大した。

SB-10000(1977)

Technics 7の開発で得られたリニアフェイズ理論を元に、ホーン型ユニットを中高域に採用した、バスレフ型3ウェイスピーカーシステム。46cmコーン型ウーファー、100mm大口径のミッドレンジ、ダイアフラムだけでなくエッジにもボロンを採用したツイーターなど、当時のTechnicsスピーカー技術の集大成とも言えるスピーカーシステムであった。

SL-10(1979)

Technicsの先進技術を取り入れた全自動ターンテーブル。LPジャケットと同じサイズ(31.5㎜)とデザインが高く評価され、ニューヨーク近代美術館に永久収蔵された。

1980’s

SL-P10(1982)
デジタル再生の先駆者

Technicsで最初のCDプレーヤー。専用回路のほぼすべてを独自開発のLSIとICで構成。ディスクの回転駆動は小型モーターの採用によるダイレクトドライブを実現した。

80’s other models

SL-XP7(1985)

高音質・高機能のポータブルCDプレーヤー。FF-1と呼ばれた1ビーム方式のピックアップと、スピンドルモーター部にブラシレスDDモーターを採用し、屋外の使用にも耐えうる高回転精度を実現した。

SB-RX50(1986)

ウーハー振動系内にツィーターを組み込んだ同軸構造を採用、さらに平板構造により周波数の乱れを解消することで点音源からのくっきりとした音場と優れた音像定位を再現した。

SB-AFP1000(1988)

Technicsフラットパネルスピーカーの最高峰。独自の音響理論によるツイン・キャビ方式を採用。高忠実再生が評価され、ウイーン国立歌劇場に納入された。

SST-1(1988)

ホーンの一部を細く絞ったツインロードホーン構造により高能率と高音質を実現したスピーカーシステム。独自のホーン型デザインも評価され、ニューヨーク近代美術館に永久収蔵された。

1990’s

SB-M10000(1995)
4ウェイ12ユニットが創成する至上の音楽空間

4ウェイ12ユニットからなるフロア型スピーカーシステム。ケルトン方式による重低音再生、デュアルダイナミックドライブによるキャビネットの低振動化、スーパーグラファイトによる超高域再生により独自に提唱する「サイレンステクノロジー」の考え方を極めた。

90’s other models

SE-A7000(1992)

新開発MOSクラスAA回路のパワーアンプ。電圧制御アンプの増幅素子にMOS FETを採用。高周波特性に優れ、忠実な信号制御に力を発揮した。

SU-C7000(1992)

バッテリー駆動電源採用のコントロールアンプ。AC電源を完全に停止することで電源回路のスイッチングノイズを排除、物理特性の徹底的な追求で音質向上をはかった。