岩崎宏美 × 井谷哲也 SPECIAL TALK

岩崎宏美さん
profile 岩崎宏美さん
1975年4月25日「天まで響け!!岩崎宏美」をキャッチフレーズに「二重唱(デュエット)」でデビュー。2作目の「ロマンス」で第17回日本レコード大賞新人賞をはじめ、数々の新人賞を受賞。その後「思秋期」「聖母たちのララバイ」など数々のヒット曲を生み出す。1987年にはミュージカル「レ・ミゼラブル」(ファンティーヌ役)に出演。また2006年にはラスベガスにてバリー・マニロウと共演、2007年にはチェコフィルハーモニー管弦楽団とのコラボ・アルバム「PRAHA」をリリースするなど、海外での活動も積極的に行ってきた。2017年5月24日にはニューシングル「絆」を発売。また、4月21日全国公開のディズニー実写映画「美女と野獣」では、ポット夫人の吹替を行なった。
岩崎宏美オフィシャルサイト

井谷 初めまして、テクニクスの技術を担当しています、井谷と申します。

岩崎 初めまして。

井谷 実は私は、若い頃岩崎さんのコンサートには何度も行かせて頂いていました。

岩崎 郵便貯金ホールですか?

井谷 私は大阪なので、厚生年金会館とか、万博記念ホール。10回ぐらい行ってるんじゃないかな。この話をいただいて、実は自分のレコードコレクションを探したら(アルバムが)28枚ありました。

岩崎 まぁ嬉しい。そうですか、ありがとうございます。

井谷 最近、ある雑誌の取材で、オーディオ業界にいる我々ぐらいのベテランが、毎月1ページずつ自分の音楽遍歴のようなものを書いていく企画がありまして、それで宏美さんのお名前を出したら、担当の方が、この業界は岩崎宏美さんのファンが多いんです、と言われました。

岩崎 音がいいということで、新しいデッキが出来た時に私の作品を試聴盤として聴かれることがあると伺った時に、もちろん私も嬉しかったんですけれど、私のミキサーやエンジニアの人達はさぞかし鼻が高かっただろうなと思いました。オーディオマニアの方がよく私のレコードを聴いてくださるということを、お手紙に書いてくださって、とても嬉しかったです。

井谷 そうなんですねえ。先日も大阪の試聴室で私が持っている岩崎さんのアルバムを同世代の連中と聴いていたんですが、その時もみんな古い音源だけど音がいいと感心していましたよ。

岩崎 贅沢な時代ですよね、フルオーケストラですし。レコーディングもマルチでした。今はデジタルですけれど。本当に、こんな分厚いテープで、大変な作業なんだなと、当時16歳でしたから見入っていました。

井谷 そうですね、再生する機材もあの頃から進化していますから、今聴いても新しい発見はいっぱいありますね。

岩崎宏美・井谷哲也

ーでは何か聴かせていただきましょうか。

試聴機材:SL-1200G SU-R1 SE-R1 SB-R1
(バーバラ・ストライザンド『The Broadway Album』'85  M1:Putting It Together 試聴)

岩崎 すごーい、素晴らしい。(※妊娠中のヘアメイクさんに)胎教にいいね(笑)。一番元気な頃のバーバラの歌声ですから、素晴らしい。こんなに大きい音で家では聴けないですよね。気持ちいい!すごい!(※当日、岩崎さんご担当のヘアメイクさんが妊娠中でした。)

井谷 これ、何年のレコードですか?

岩崎 これはブロードウェイの曲ばかり歌っているアルバムなんですけれど。

井谷 とても状態がいいですね。

岩崎 1985年かな、CBSですね。

ーいまお仕事としてオーディオに関わっていらっしゃる井谷さんが、今も岩崎さんの作品を基準となるサウンドにするポイントはどういったところでしょう?

井谷 やはり音の作り方として、ヴォーカルのクオリティを意識した録音というか音作りになっているところだと、僕は思いますね。失礼な言い方ですけど、いま聴くと、アイドルの方ってヴォーカルだけ物凄く大きい音像が出たりするんですけど、岩崎さんのはちゃんとヴォーカルが真ん中にいて、周囲にオーケストラがいて、という。こういう大きいシステムで聴いても、きっちり音楽として楽しめるものになっていると思います。ライヴものもいいですね。私が持ってきた日フィルとの作品など、会場にいるような感じで聴いていただけると思います。
昔は幅の広いスピーカーだったんですけど、今はスリムになってるんです。なぜかというと、ステレオって右と左の時間差で音のイメージができるんです。

岩崎 はい、今の音を聴いていても、バーバラがここにいて、オーケストラの配置がわかりますよね。

井谷 大きいと音が出てくる面積も大きいんで、それで音像がボケちゃうんです。だから最近のスピーカーは細く細く。そうするとイメージがくっきりと、できるようになってきました。これはそれがすごくよくわかるレコード。真ん中に座っていると特にわかります。

岩崎宏美・井谷哲也

(岩崎宏美『シンフォニー』'80 M4:万華鏡(英語ヴァージョン)試聴)
(「シンフォニー」は1980年に中野サンプラザホールで行なわれたコンサートを収録したアルバム)

岩崎 この日は不覚にも風邪をひいてしまい、午前中に病院に行って、熱を無理やり下げる注射を打ったら足の裏が丸くなったみたいになりふらふら。だけど、1回しかないステージだったので、音源が残せてよかったです。

井谷 40度の熱、すごいですね。

岩崎 声は熱っぽいですけれど、上手ですねえ(笑)。びっくり!ちゃんとやっていたんだなと自分でも驚きです(笑)。

井谷 この頃、けっこう年に1枚ぐらいリサイタルものを出されていますね。どれを聴いてもこういう録音で、わりと臨場感があるというか。

岩崎 はい、出していましたね。芝の郵便貯金ホールで、1年に1回コンサートを行なって、それをレコーディングしていました。とにかく1日しかチャンスがないので。もう、賭けですよね(笑)。

岩崎宏美・井谷哲也

ー岩崎さんモータウンがお好きだったとか。

岩崎 洋楽はモータウンからです。ダイアナ・ロスやジャクソン5。私はデビューした時、ビクターだったのですが、当時モータウンはビクターだったんですよ。だから彼らが来日する時は羽田空港で、着物を着て花束を持っていくお迎え係ができるかなと思っていたら、私がデビューした年に、ジャーメインだけ残して、ジャクソン5のメンバーがジャクソンズとして、みんなソニーに移っていったんです(笑)。それがとてもショックでした。でもスティーヴィー・ワンダーやダイアナ・ロスは残っていたので、いつもビクターに行くと洋楽の階に行って、洋楽のサンプルレコードをもらっていました。

ー当時から熱心なリスナーでもあったんですね。

岩崎 家にステレオが一台しかなかったので、姉が触る時じゃないと聴かせてもらえなかったんです。私たちだけではレコードにキズを付けちゃうと言われて。だからデビューした時にCD4(ビクター開発の4チャンネル再生装置)のステレオをもらった時は本当に嬉しかったです。

ー岩崎さんはプライベートではどういうシステムでお聞きになってらっしゃいますか。

岩崎 自宅にターンテーブルはないんですけれど、もう一つの、今は納戸になっているお部屋に置いてあるので、昨日はそこで聴いていたんです。スピーカーもまだ持っていますね。JBLの木の箱の。妹とお揃いで買ったんですけれど、妹は捨ててしまったんですって。なんで捨てたの?って聞いたら、「大きいから、もういらないと思って」って。木のスピーカーはいいのにね。私はまだ使っていますね。レコードはずっとトランク・ルームに入れていたんですよ。それを、今納戸になっている部屋の方に移し始めたところで、このお話をいただいたので、今回はレコードを持ってこられました。埃だらけになりながら、「これも持っていた」「あれも持っていた」って(笑)。途中からサンプルが増えているんですけれど、自分が買ったものはとてもよく覚えているので、先ほどのディオンヌ・ワーウィックもそうですし、ディオンヌを通してバート・バカラックも知りましたし、そこからカーペンターズにつながっていきますし、なかなかいいチョイスをしていたなと思います。その部屋の片付けをしながら、たくさんレコードを聴き返しているんです。やっぱり、CDより音を削っていない分、音が分厚くふくよかですし、心地いいですよね。

井谷 そうですね。CDより音が柔らくて聴き疲れしないっていう人が多く、今アナログがまた見直されていますね。

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